最速で筋肥大するためのPPL法!分割法と全身法のいいとこ取り?!
「いろいろトレーニングやってきたけど、いろんな人が分割法がいいとか全身法がいいとか言っててよくわかんねえよ~
誰かわかりやすくまとめてくれないかなあ~」
と思っている人。
確かに、デカい筋トレYouTuberが「胸の日!肩の日!」と言ってトレーニング動画を上げている一方、「分割法はbro science*だ!」と分割法よりも全身法が優れている論文を紹介する人がいたり…
今回は分割法vs全身法論争に休止符を打つべく、【分割法と全身法のいいとこ取りをしたPPL法】を紹介する。
■PPL法
・PPL法の概要
PPL法は
・Push(押す動作)
・Pull(引く動作)
・Legs(脚トレーニング)
に分けて行うトレーニング方法である。
Push…胸、三頭、肩(前部)
Pull…背中、二頭、肩(後部)
Leg…脚
を基本とし、肩の中部と腹筋をいずれかの日に分散するのが基本的な分割となる。
週5で一部位ずつ行う「分割法」、全部位を週4-5で行う「全身法」の中間的な立ち位置のため、両者の良いところ取りができるのが特徴。
・PPL法の長所
トレーニングボリュームを確保できる
トレーニング時間の効率が良い
最低限のパンプ感を得られる
最大の特徴は、分割法と全身法の弱点を補完することができること。
こちらは後ほど解説する。
■分割法
・分割法の概要
分割法とは、ボディパーツごとに分けてトレーニングする方法。
胸
背
肩
脚
腕
のような分割が一般的。
・分割法の長所
同じ部位を連続して行うため、ウォーミングアップの手間が省ける。
同じ部位に対していろいろな種目を行うことができる。
・分割法の短所
1週間に1度しか同じ部位を刺激できないため、筋肥大のシグナルを押す頻度が低い。
トレーニング後半はその部位が疲労してしまうため、1回のトレーニングでボリュームを稼ぎづらい。
例えばベンチプレスとダンベルプレスを行ったあとのダンベルフライではほぼ重量を扱うことができず、ただ疲れるだけになってしまう。
■全身法
・全身法の概要
全身法は、その名の通り全身の筋肉群を毎回トレーニングする方法。
1日で複数の部位を鍛え、1週間で全身を何度も刺激する。
Day A
スクワット
ベンチプレス
ラットプルダウン
サイドレイズ
スカルクラッシャー
アブローラー
Day B
デッドリフト
ミリタリープレス
ディップス
ダンベルカール
リアレイズ
カーフレイズ
・全身法の長所
スクワット、ベンチプレス、デッドリフトなど動作の習得がしやすい。
理論上、最も高い頻度で筋肉を刺激できる。
部位ごとにフレッシュな状態でトレーニングできるため、トレーニングボリュームを稼ぎやすい。
パワーリフティングを行うならほぼ必須。
・全身法の短所
ウォーミングアップを部位ごとに行うと一回のトレーニングに時間がかかる。
一部位に対して一種目しか行わないことが基本のため、パンプを感じづらい。
コンパウンド種目が多くて体力的にしんどく、2種目目以降の部位での全力のトレーニングができない。
例えばスクワットのあとにベンチプレスを行う必要があるので、ベンチプレスで全力を出しづらい。
■PPL法プログラムの組み方
・プログラムの考え方
Push…胸、三頭、肩(前部)
Pull…背中、二頭、肩(後部)
Leg…脚
を基本とし、肩の中部と腹筋をいずれかの日に分散するのが基本的な分割となる。
基本的な考え方として、以下がある。
・セッションごとに負荷を上げていく
・最も鍛えたい部位を一種目目に行う
・コンパウンド種目を先に行い、アイソレート種目を後に行う
例えばPush Dayでは、胸を重点的に鍛えたい場合はベンチプレスを先に行い、肩を重点的に鍛えたい場合はミリタリープレスを先に行う。
背中だったら上部/下部、脚だったら大腿四頭筋/ハムストリングスに分けて考えるのもいいだろう。
どちらにせよ、その日の1種目目に最も鍛えたい部位の種目を入れるようにしよう。
バランス良く鍛えたい場合、Push Day、Pull Day、Leg dayそれぞれ2パターンずつ用意することが望ましい。
・プログラム具体例
Push Day A
ベンチプレス(胸コンパウンド種目)
↓
アーノルドプレス(肩コンパウンド種目)
↓
JMプレス(三頭コンパウンド種目)
↓
マシンインクラインプレス(胸アイソレート種目)
↓
サイドレイズ(肩アイソレート種目)
↓
フレンチプレス(三頭アイソレート種目)
Push Day B
ミリタリープレス(肩コンパウンド種目)
↓
ディップス(胸コンパウンド種目)
↓
スカルクラッシャー(三頭コンパウンド種目)
↓
インクラインサイドレイズ(肩アイソレート種目)
↓
ダンベルフライ(胸アイソレート種目)
↓
ケーブルプレスダウン(三頭アイソレート種目)
Pull Day A
ワンハンドダンベルロー(背中上部種目)
↓
シールロー(背中中部種目)
↓
ラットプルダウン(背中下部種目)
↓
ダンベルカール(二頭ミッドレンジ種目)
↓
リアレイズ(肩アイソレート種目)
↓
インクラインハンマーカール(二頭ストレッチ種目)
Pull Day B
チンニング(背中下部種目)
↓
DYロー(背中中部種目)
↓
Tバーロー(背中上部種目)
↓
ハンマーカール(二頭ミッドレンジ種目)
↓
リバースペック(肩アイソレート種目)
↓
インクラインダンベルカール(二頭ストレッチ種目)
Leg Day A
ハイバースクワット(四頭種目)
↓
ブルガリアンスクワット(ハム種目)
↓
レッグエクステンション(四頭種目)
↓
ルーマニアンデッドリフト(ハム種目)
↓
アブローラー(腹筋種目)
Leg Day B
デッドリフト(ハム種目)
↓
レッグプレス(四頭種目)
↓
レッグカール(ハム種目)
↓
スミスマシンスクワット(四頭種目)
↓
ハンギングレッグレイズ(腹筋下部種目)
・プログラムのボリューム、頻度
・rep数
このプログラムでは筋肥大を目的とするため、rep数は8-12程度が望ましい。
1種目目は8rep狙い、5種目目などは12reps狙いなどメリハリをつけるのもいいだろう。
・set数
最新の研究によると、中級者は一部位につき週あたりに10-20set程度が望ましいとされている。
各種目3setずつ行えば、胸であれば週に4-5種目、背中であれば週に5-6種目行うことができる。
腕や腹筋に関しては他の
・頻度
2 on & 1 offを基本とする。
2日続けてトレーニングを行い、1日休む。これを繰り返す。
人によっては3 on & 1 offでもいいかもしれないし、1 on & 1 offが合っている人もいるかもしれない。
そもそも一週間というのは人間が社会的に決めた概念で、筋肉の回復とは何ら関係がない。
PPL法最大のメリットである、一セッションあたりの一部位へのボリュームを確保しつつ頻度を上げることを考えると、一週間に3回(1サイクル)では頻度が低すぎるし、週に6回(2サイクル)は身体への負担が大きい。
したがってPPL法では週の概念に囚われず柔軟にトレーニングをしていくことが求められる。
<一例>
月:Push Day A
火:Leg Day A
水:Off
木:Pull Day A
金:Push Day B
土:Off
日:Leg Day B
月:Pull Day B
火:Off
Push Dayの次はPull DayではなくLeg Dayにしているが、個人的に胸に筋肉痛がきやすい体質のため。
胸の筋肉痛があると、背中トレーニングの際に腕が上げづらく(上腕の屈曲がしづらく)なり、チンニングやラットプルダウンで全力を出せない感覚があるのだ。
このあたりは個人の好みでアレンジしてもいいだろう。
■改めて考えるPPL法のメリット
・分割法と全身法の短所を補う
PPL法は、分割法と全身法の短所を解決している、いわば「いいとこ取り」のトレーニングプログラムだ。
分割法のデメリットである「トレーニング頻度の低さ」はPPL法で高速サイクルを回すことで解消し、
また全身法のデメリットである「トレーニングに時間がかかる」「コンパウンド種目だらけでしんどい」も一回のトレーニング部位を絞ることで解決している。
・1種目目で行える種目の種類が多い
前述の通り、PPL法では3x2=6種類のトレーニングメニューを回すことになる。
つまり、「一種目目に行う種目」を6種目も行うことができるのだ。
筋肉に対して毎回新しい刺激を入れながら、PR(自己ベスト)を更新していく楽しみを味わうことができる。
・筋肉の回復サイクルと完璧に一致している
ステロイドなどのドラッグユーザーでないナチュラルの場合、一部位につき少なくとも2回、場合によっては3-4回刺激を与える必要がある。
なぜかというと、筋合成のトリガーはトレーニングによって押され、筋肥大反応はトレーニング後24-36時間程度に渡って続くからだ。
PPL法では中3日で同じ部位のトレーニングが回ってくるため、筋肥大のスイッチを常に押した状態を保つことができる。
■どんなプログラムも完璧ではない
これまでPPL法のメリットを紹介してきたが、今のところ科学的に証明された完璧なトレーニングプログラムは存在しない。
もし存在していたとしたら、世の中の全員がそのトレーニングプログラムを実践して世の中の全員がデカくなっているはずだ。
ところが実際には分割法を行う人、全身法を行う人、いろいろなトレーニーが存在し、みんながそれぞれのペースでデカくなっていっている。
つまり、どんなプログラムでも正解だし、どんなプログラムでも不正解なのだ。
トレーニングは個人差が大きい。
ある人にとってはPPL法が最適でも、別の人には合わないかもしれない。
同じ人でも、ある時期にはPPL法が最適だったにも関わらず、他の時期には他のトレーニングプログラムが最適になっているかもしれない。
しかしそれは「2024年にPPL法を行ったAさん」と「2024年に分割法を行ったAさん」で比較しない限り、本当のトレーニングの効果は検証できない。
もちろん、そんなことは誰にも不可能だ。
結局「答え」は存在しないので、自分に合ったプログラムを自分で探す、それが何より大切なのだ。
そしてそのプログラムに対して愚直に取り組み続けることこそが、真の筋肥大への最短ルートになる。
一朝一夕で理想の肉体は手に入らない。
それでも、継続すること以外に理想の肉体を手に入れる方法はない。
挫折を恐れずに前を向いて歩めば、きっと望む先に辿り着けるはずだ。
焦らず着実に、それが筋肥大への鉄則と言えるだろう。
■まとめ
自分の信じた道を行け!
■おわりに
このnoteは、筋トレを始めたばかりで、しっかり身体のことについて勉強したい人をターゲットに、健康的な生き方に関する情報を論理的に発信しています。
過去にもいろいろな記事を投稿しているので、もし気になったら読んでみてください。
また、記事にしてほしいトピックのリクエストもコメント欄から募集中です。
筋トレについてそこそこ詳しい方や、実際にトレーナーとして活動されている方にとっても、「こんな考え方、こんな表現があったんだ!」という発見になってくれれば幸いです。
また、当noteはAmazonアソシエイト、楽天アフィリエイトプログラム等に参加しています。
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