見出し画像

#111 百鬼堂農園(41) 遅すぎる総括

 農業公社から、来季も市民農園を継続して利用するか否かを問う往復ハガキが届く。「利用しない」の選択肢にマルをして投函すれば、苦行は終わる。熱中症で倒れそうになったり、冷たい泥と格闘する必要はもうない。

 本来なら冬野菜の収穫も一段落した昨年末に今季の総括をやるつもりだったが、あれよあれよという間に時は過ぎ、仕事に追われる日々がやってきてしまった。もう2月になってしまいましたが、昭和のおじさんたちが大好きな「総括」やってみましょうか。

 総括にあたり、まずは「百鬼堂農園」の連載を読み返してみることにした。ウケ狙いやカッコつけもありますが、わりと肩の力を抜いて正直に書いており、ちょっと面白いですね。苦労や喜びを書いてnoteに公開することも、農園経営の大きなモチベーションになっていたことは間違いありません。読者のみなさまありがとうございます。

 全体としてみれば、いろいろあったけど初の農園経営はおおむね楽しかった、というところでしょうか。

 畑を始めた当初は「農園日誌」と題したノートを作り、作付け計画やその日にあったことなど記録していたが、面倒になりすぐやめてしまった。種苗や肥料や資材・農具などを買ったときのレシートも、ノートやクリアファイルに挟んで保管してある。あとは、裏に育て方の説明が書いてある野菜の種が入っていた袋なんかも、ご丁寧に。

 きちんと計算して、コストがどれくらいかかったかなど明らかにすれば、この連載ももっと意義深く読まれるかもしれないけれど、面倒なのでやりません。ごめんなさい。いずれ農業がやりたい、というのなら、最低このあたりをクリアにやるのが基本とも思えるのだが。

 金額が明らかにならないのでまったく参考にならないが、基本的に小遣いの範囲でやっており、懐具合の感覚からいえば、おじさんの趣味としては金銭的にさほど敷居の高いものではない、といっていいと思います。リターンもあるし。なお昨年末に、長靴や野菜についた泥を吹き飛ばすための小型の高圧洗浄機を買ってしまった。これについては別の機会に。

 今季の目標を考える。テーマは食糧自給率アップ。トマトとオクラと大葉は採れすぎるので苗を減らす。ジャガイモと枝豆は増産し、新たにサツマイモを植える。トウモロコシは獣対策を考えてから決める。キュウリとゴーヤはやめる方向で検討。ナスは勉強してできそうならやる。ネギは大増産したい。きちんと計画を立てなければ、と思いつつ、結局は適当で、いきあたりばったりになりそう。まあそれもいいでしょう。

 春に転勤にならないことを祈りながら、ハガキの「(市民農園を)継続して利用する」の選択にマルをした。ハガキは奥さんが出勤の道すがら投函してくれた。

いいなと思ったら応援しよう!

この記事が参加している募集