お前は図説 鎌倉府で真の男の大地へと帰る
よくきたな。おれは逆噴射聡一郎ではない。
おれは時々関東室町についてのテキストを書いているが、誰にもほんきで読ませるつもりはない。
だが今回は室町という過酷なメキシコの荒野の中でもさらに危険な『鎌倉府』を生きぬく必携のバイブルが出たからいてもたってもいられなくなったので、この記事を書いて公開することにした。
※ちなみに、この記事で使っている文体はこちらの逆噴射聡一郎先生をリスペクトしたものです。再現性が低くて申し訳ない。興味のある方は上記リンクでメキシコの荒野を感じろ。おまえが女だからといって真の男にはなれないとかそうゆうことはないから安心しろ。
俺は前回、すごい本である『図説 室町幕府』を本屋で買うのでも図書館で借りるのでもいいからとにかく読んでおけとお前に忠告した。そしてお前は本を開き、そのすごさに度肝を抜かれたことだろう。
さらには中世武士選書まで進めばお前には素晴らしい世界が待っていた。
だがお前は『図説 室町幕府』を数ページ開いただけでこの銀河を手に入れたつもりになってサルーンに入り浸り「もう僕は貫高が5000くらいあって無敵なんだ・・・・貫高がさ・・・・・」などとゆきずりのベイブに『図説 室町幕府』とおまえの凄さを適当フカして回っているとゆう寸法だ。だがおれにゆわせれば、まだおまえは『図説 室町幕府』をただ開いて眺めただけの腰抜けに過ぎない。なぜか? 鎌倉府が足りないからだ。
図説 鎌倉府で真の男になる
『え?鎌倉「幕」府じゃないの?誤植じゃないの』とか『鎌倉府なんてマイナーだ、詳しく書いてある本があるわけがない』そんな泣き言をいうやつにこそ『図説 鎌倉府』はうってつけだ。なぜか? それは『図説 鎌倉府』には十年以上かけて戎光祥出版が出してきた数多くの歴史の本、さらには世に出た多くの歴史の本の何十冊分もの内容がわずか1800円(税前)に凝縮されているからだ。
おれはこの十年、鎌倉府という言葉を知らずに、結果的には鎌倉府のことを知りたくて何冊も何冊も本を集めてきた。たった一つの用語を知るために太陽の照りつけるメキシコの荒野のような分厚い本を一冊読み切る、なんてこともよくあった。
最早お前は一杯のテキーラを求めて広い荒野をさ迷う必要はない——『図説 鎌倉府』その扉を開くだけで全てが与えられる
帯がうさんくさい
『公方に従わない国人たち』『板挟みで悩む関東管領』『切腹、斬首、過酷な戦場』まるでネオサイタマの威圧的ミンチョ体のような文字列だが、これが鎌倉府の現実だ。戦国時代より前だからとのんきな時代をイメージしている奴は鎌倉府というメキシコの荒野でアンブッシュに気づかずに死ぬ。
お前は全身全霊でこの本のどこでもいいから見開き2ページをおさえろ。それが生き抜く唯一の方法だ。
独眼竜の前にも政宗がいる
お前は戦国といえば伊達政宗!独眼竜!とゆうかもしれない。
だが独眼竜よりも遥か前にも政宗が存在し、しかも鎌倉府にはんらんしていた、と聞いたらどんなやつか知りたくはならないだろうか……
ふるい伊達氏を知りたいやつはこちらの『シリーズ中世関東武士の研究 戦国大名伊達氏』を読んでも良い。
女性が真の男になれないとゆうわけではないように、伊達氏が中世関東武士かどうかなんてことも瑣末なことだ。
『図説 鎌倉府』のコツ
うたがい深いおまえはまたしても
「今度こそ図説とか言って、前のページをクリップで押さえながら、次のページまで頭にいれながら見ないと分からないだろう?」
「今度こそ図説って簡単にまとめて、どうせ面白雑学じてんや歴史マンガ、日本史の教科書のまとめみたいな本だろう。最新研究に比べたら手垢のついたふるいやつだ」
とゆうかもしれない。だが今度もそんなことを言っているやつに限って酒場で突然始まった銃撃戦の流れ弾に当たって死ぬ。威圧感溢れるショドーの帯には『最新の研究成果をもとに』と書いてある。メキシコでは相変わらず見開き2ページが早撃ちのコツだ。
真の男が書いた真の男のための図説
それでもお前は「ファクトチェックってどうなってるの?」とか流行りの言葉を使ってベイブの前でいい格好をしようと変な角度のポーズでゆうかもしれない。だがそれは完全に無用の心配だ。『図説 室町幕府』を書いたのはバンデラスやダニー・トレホのような諸先生と対等に渡り合える真の男である編集長が書かれたものだが、今回もまたその編集長が見出した真の男、最前線のガンマンである杉山一弥先生が編著、もちろん出すのも真の男の出版社である戎光祥出版さんだ。真の男は真の男を知る。
(これも念のためだが女性が真の男になれないとかゆうことはないから安心しろ)
『図説 鎌倉府』はとにかく面白い
せっかちなお前は『けっきょくのところ鎌倉府って何』とここへ来て言うかもしれない。『何の役に立つの』『鎌倉幕府と何が違うの』と言うかもしれない。だがそんなやつこそ『図説 鎌倉府』を手に取って読んでみるだけでいい。たんじゅんにおもしろいからだ。
おまえの目の前にはどれから消化したらいいかわからないぐらい大量の豪華ディナーが用意される。豪華な刺身盛り、蕎麦、懐石、水菓子、炊き込みご飯、ビリヤニ・・・・などだ。豪華さのあまり目移りしてしまいそうだが、実際どれから手を付けてもいいし、それを食べるとおまえは筋肉がついて更に強くなり、もっとうまいものが食えるという寸法だ。
鎌倉府、というナチョスだけでもおれは十年飽きずに食い続けて来れたが、どこで売っているのか、移動するナチョス屋を見つけるのに一苦労したものだ。だが、今、全てはこの『図説 鎌倉府』一冊に凝縮されている。お前は迷わずこの一冊から始めれば良い。おれが本の内容をあれこれ言うよりも手に取る方がずっと早いからだ。
真の男が帰りつくべき大地。それが『図説 鎌倉府』なのだ。
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