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AIは言葉の意味や質問された意図を理解していない
スマホの奴隷になるか、それとも単なるツールとして使うかは、使う人の意識に左右されるだろう。私は主に調べ物をする為のツールとして使っている。
今の私の関心事は日本の経済や財政がどうなるのかということです。なぜなら自分の生活に影響するからです。
今回は経済指標の一つであるGDPについて学ぶ事にしました。この言葉の概念は何となく理解はしていましたが改めて学び直す際に気がついた事をここに書いてみました。
AIに実質GDPの計算式を質問したら!?
ここで言うAIはGeminiの事を指します。
AIに「実質GDPの算出を教えてください」と質問したら
"実質GDPの算出: 名目GDPをGDPデフレーターで割ることで、実質GDPが算出されます。"
と回答してきました。
私が知りたかったことは、実質GDPを算出するのが先か、GDPデフレーターを算出するのが先かということでした。
ですが、上の回答ではGDPデフレーターが先に算出するような回答に受け取れます。
この回答が意味することはなんであろうかと考えました。
AIは言葉の意味と目的を理解していない
例えば人間が"暑い"という言葉を発すると"体から汗が出て息苦しい"という身体感覚を伴う。しかしAIにはその様な身体を持っていない。
だからAIには、人間のように"暑い"という言葉には何ら意味づけされていない。ただの記号に過ぎないのです。
人間が「実質GDPの計算式を教えてください」と依頼したら前述の通り
実質GDP=名目GDP÷GDPデフレーター
と回答してくる。
そして「GDPデフレーターの計算式を教えてください」と依頼したら
GDPデフレーター=名目GDP÷実質GDP
と答えてくる。
これではどうどう巡りで、どの様にして実質GDPが計算されるのかを知りたかったのにAIは関係式をいつまでも説明してきたのでした。
これは何を意味するのか!?"暑い"という言葉と同じようにAIは"計算式"と"関係式"の意味を理解していないから私の質問に適切に答えられていないのです。
そしてGDPデフレーターの目的も理解していないから、どちらが先に決めるものだとの目的意識も持っていない。
ですから言葉の意味や、質問する側の意図を理解していないAIに適切な答えを聞き出すには質問する記号(言葉)の並びを工夫する事が必要になるのです。
実質GDPの計算が先か、GDPデフレーターが先なのか?
AIに
"実質GDPとGDPデフレーターはどちらが先に計算されるのですか?"
と質問すると
名目GDP→実質GDP→GDPデフレーター
の順で計算しますと答えてきました。
このように意味や目的を持たないAIに望む適切な答えを導いて貰うには
「実質GDPの計算式を教えてください」
という記号(言葉)の羅列ではなくて
「実質GDPとGDPデフレーターはどちらが先に計算されるのですか?」
という記号(言葉)の羅列じゃないといけないのです。
実質GDPの求め方
因みに実質GDPとは
"実質GDPを計算する際に、基準年となる年を設定します。基準年の価格は固定し、他の年の生産物をこの基準年の価格で名目GDPを計算し直して評価します。"
との回答でした。
GDPとCPIの違いは
またこの際でしたので、ぼやっと理解しているGDPとCPIの違いにも質問してみました。
GDPとは
調査対象が国内生産された全ての財・サービス(消費財、投資財、政府支出、純輸出)
一方、CPIは
調査対象は 家計が購入する主な消費財・サービス(食料、住居、交通など)
の違いですと回答してきました。