見出し画像

メールの誤送信から、ピコ太郎とPPAP問題の真実に辿り着く

ビジネスシーンでは様々なミストラブルに遭遇するが、メールの誤送信はあるあるの最たるものだろう。で、またやりおった…。私の部署のメンバーが、とあるクライアントに、別のクライアントの資料を送付してしまったらしい。幸いにも受信した方が、寛容だったので公にはならなかったが、先方からすれば『コイツら、ウチの資料も他社に送ってるんじゃね?』と思う事だろう。ここは今後の対策を講じ、ご報告する事が必要だ。

これまでもパターン違いの誤送信で、数々のピンチを経験しているにも関わらず、防止の決定版が見当たらない。とはいえ、これは当社だけの問題とは思えない。ネットで有益な情報を探してみよう。

案の定、多くの情報がヒットする。やはり誤送信の悩みは全国共通だ。誤送信防止ツールなるものも数多く存在している。取り急ぎ、防止の対策を紹介しているサイトを見ていると、気になる記事があった。


「PPAPは意味なし」といえる理由と今後のお勧めの対応を解説


PPAP…?
聞いた事がない略語だが、以下の単語が元となってるらしい。

記事を読んで納得した。よく見るアレだ。添付ファイル付のメールの後に、別メールでパスワードが送られてくるやつ。確かにアレは意味ないよな…と、かねてから思ってた。

例えば、誤送信防止が目的とする。今回の我々の様に、他社の資料を添付したとしよう。同じ人に、同じメールで数分後にパスワードを送ったところで結果は同じだ。送信先を間違えたとしても結果は同じだろう。何せあのパスワードは数分後に自動で送られるのだから。

記事には、その他セキュリティの問題等の理由から大企業が続々とPPAPを廃止しているという。まあ、あの煩わしさから解放されるの喜ばしい。


それにしても、これだけ何度も目にしてきたこの仕組みにPPAPなどという名称があるとは知らなかった。そして、既視感のあるこの略語を見て、当然のようにあの人を思いだす。勘違いかも知れないので一応検索する。

やはり、ワードを入力した時点で、ピコ太郎が確定。

面白い偶然があるものだ。
ピコ太郎ブームは過去のものとなり、名前を知られる事なくブームになったPPAPも今、過去のものになろうとしている。世界中でピコ太郎がブレイクしていた当時、PPAP関連業界の人々はのどんな気持ちでいたのだろう?

『なんだよ、ピコ太郎って…  PPAPって、オレらの方が言い出したの先だぞ!みんな仕事で使ってるのに、なんでこっちのPPAPを誰も知らないんだ…』

さぞ苦々しく思った事だろう。

とは言えピコ太郎ブームも過去の話。
検索結果は、本家であるメール配信システムのPPAPばかりが並ぶ。ピコ太郎は少なくともファーストビューには表示されていない…と、思ったら気になるサジェストを発見。

「PPAP問題 ピコ太郎」?

ピコ太郎のPPAPに今更なんの問題があるというのだろう?タップしてみるとAIさんから謎の解答が。


PPAPを揶揄?どういう事だろう。
直下に表示された記事を見て謎が解ける。


 大泰司氏や一部のセキュリティー専門家は「文書ファイルなどをパスワード付きZIPファイルにしてメールで送り、パスワードを別のメールで送信すること」には問題があるとして、以前からやめるよう呼びかけていた。

 ただ、「文書ファイルなどをパスワード付きZIPファイルにしてメールで送り、パスワードを別のメールで送信する」方法には特段名前が付いておらず、説明するのに難儀していたもようだ。

 そこで大泰司氏は、世界的なヒット曲PPAPにちなんで、若干無理やりながらPPAPと命名することで、この方法に問題があることを啓蒙しやすくしたとみられる。

日経クロステック /ピコ太郎氏も驚いた「PPAP全面禁止」



乗っかっただけかい。
紛らわしい。

それにしても、この下記一文には違和感がある。

『PPAPと命名することで、この方法に問題があることを啓蒙しやすくしたとみられる』

これでは命名者の真の意図が、わからない。
複数の意味にとれるからだ。


①PPAPの響きだけで注目されようとした。

この記事は4年前。
ピコ太郎ブームは2016年だから、既にブームが終わって5年は経過したタイミングだ。PPAPと命名しただけで、気を引けるかは疑わしい。それともブームの最中につけたのだろうか?それはそれで埋もれるだろう。


②問題性があることのメタファー

確かにこの文は『PPAPとする事で問題性を啓蒙したい』とも読み取れる。ピコ太郎のPPAPに対して、アップル社が異議を申し立てたような記憶があるが、その事だろうか?いや、そこまで連想できるとは思えない。

③ブームは終わったんだよ。というメッセージ

『PPAP?メールとパスワードがセットになってるアレの事か?ええっと、PPAPといえばピコ太郎…最近もうTV出ないな… 。えっ?こっちも今誰も使ってないの?ああ、両方とも、ブームは終わったんだね…


これが感覚的に一番しっくりくる。現に私もそう思ったくらいだ。つまりPPAPは、オワコンの代名詞として使われた可能性が高い。

そうであれば、これはある意味ピコ太郎さんにとても失礼な話しではないか…

ブームというものは必ず終わる。それでもあれだけ世界的に注目されたピコ太郎さんは、日本の芸能史に名を遺したといっても過言ではない。下手したら世界で一番有名な日本人かも知れない。

そのピコ太郎さんの代名詞たる「PPAP」をオワコンの代名詞として使うなど…大問題だ。


そう、これこそが本当のPPAP問題だ。
命名者は提訴されても仕方がない。

メールの誤送信などは、大した問題ではなかった。
ピコ太郎さんに、伝えねば…


P →ピーピーエーピーは
P →パスワードがなんやらの仕組み如きに、
A →呆れ果てた理由によって
P →パクられていたのです…


いいなと思ったら応援しよう!

まし  |  言葉の何気なインサイト
気に入っていただけた方は、応援お願いします!