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〜2023年 最新調査から読み解く〜 エンゲージメント向上につながる従業員エクスペリエンスの重要性と具体的な施策事例

神戸大学大学院の服部 泰宏教授とPwCコンサルティング合同会社の土橋 隼人 氏にご登壇いただいたセミナーをレポート化しました。
本セミナーでは、従業員エクスペリエンス(EX)の具体的な取り組みのご紹介や、PwCコンサルティング合同会社が実施されている「エンプロイーエクスペリエンスサーベイ2022-2023」の結果速報をお届けいたしました。

本記事の全文は、下記URLからダウンロード可能です。
〜2023年 最新調査から読み解く〜 エンゲージメント向上につながる従業員エクスペリエンスの重要性と具体的な施策事例


プロフィール

服部 泰宏 氏
神戸大学大学院 経営学研究科 教授

滋賀大学准教授、横浜国立大学准教授を経て現職。「組織と個人の関わり合い」をコアテーマに、採用、評価、育成などの定量データの分析に基づく産学連携研究に従事。2018年以降は、圧倒的な成果をあげるスター社員の研究、社員の特別扱いすることが本人と周囲にもたらす効果についての国際比較研究などにも従事。

土橋 隼人 氏
PwCコンサルティング合同会社 BT-People Transformation ディレクター
会計事務所系コンサルティングファーム2社を経て現職。約15年にわたり、組織・人事領域のコンサルティングに従事。組織・人材マネジメント戦略策定、人事制度改革(等級・報酬・評価制度の設計および導入支援)、M&A・組織再編に伴う制度統合支援、ピープルアナリティクス、人的資本経営・情報開示支援など、幅広い領域を支援。Employee Experienceおよびサステナビリティ経営推進(人事領域)のサービス担当。

「従業員エクスペリエンス」の考え⽅

神戸大学大学院 経営学研究科 教授 服部 泰宏 氏

Employee Experienceとは?

Employee Experienceとは『社員が組織の中で経験する、仕事、仲間、そして様々な機会との出会い・やりとりの総和』です。
組織の中以外に、『エントリー・マネジメント』と、『アルムナイ・マネジメント』も含まれます。
10年程前は、(狭義の)マネジメントしか含まれていませんでした。
Employee Experienceは、このように入社から退社するまで、とても広い射程を持ったコンセプトになります。

EXを考える際のポイント

  • 根底にある『ボトムアップ』の発想
    ひとりひとりの働き方やキャリアの考え方が多様化していく時代に出てきたコンセプトが、『ボトムアップの発想』です。
    「ひとりひとりが、どのようなニーズを持っているのか」「どんなことにモヤモヤしているのか」といった悩みに対して、どんなことやってあげたら、そのモヤモヤは晴れていくのだろうかと注目することが重要です。

  • 個人の全体性(wholeness)への眼差し
    エクスペリエンスという考え方で大切なことは、私達には大きく二面性があるということです。
    例えば、「上司に褒められて嬉しい」「希望部署に行けた」「給与が増えた」……これは組織人格だからこそ経験してることだといえます。
    これも、もちろん大切です。
    ただ、エクスペリエンスを考える際に忘れてはいけないのが、『この人が組織に持ち込んでいる非常に個人的な部分』にも注目することです。
    「街が素敵で、このコミュニティに所属しつづけたい」と従業員が思うと、会社に対するコミットメントが強くなることが最近発見され、注目を浴びています。
    一見すると、組織の外にあることが、重要な影響を与えていることがあります。
    このように、個人人格にも注目していくことが求められてきています。

最新調査「エンプロイーエクスペリエンスサーベイ2022-2023」結果速報

 PwCコンサルティング合同会社 BT-People Transformation ディレクター 土橋 隼人 氏

エンプロイーエクスペリエンスを取り巻く概況

  • EX向上が求められている背景
    人材の仕事や会社に対する志向性や価値観は多様化が進んでいます。これに着目しなければ、人材獲得や従業員エンゲージメント向上は非常に困難なものになると考えています。
    以前は、従業員を同じ属性で切り取ると仕事や会社に対する志向性や価値観は似通う傾向にありましたが、現在では仮に属性が同じであったとしても、価値観はバラバラであることが多いと言えます。

    価値観の多様化に伴い、これまでの一律の人事管理ではなく「個へのアプローチ」がますます重要になっています。

  • エンプロイーエクスペリエンスを高めるためのアプローチ
    一律的→多様性への着目
    従業員を同質的なものと見なして一律的な施策やメッセージ発信を行ってしまっては、従業員エンゲージメントの向上は難しいといえます。価値観や志向性を踏まえてペルソナを設定し、何を求めてるのかを把握して、価値観や志向性の多様性に合わせて個別化された施策を
    行うことを推奨しています。

  • マネジメント目線→従業員目線
    日本企業の人事部門は依然としてマネジメント目線が強いと感じています。
    従業員を顧客のようにみなして、「どういった体験をその人たちに積んでもらいたいのか」「何に困っているのか」「その解決のためには何ができるのか」を考えていくことが肝要です。
    人事にとっては大きなマインドチェンジだと思いますが、その視点が重要です。

  • アナログ→デジタルツールの活用
    「パーソナライズされた施策が大事です」という話をすると「本当にできるんですか?」という議論になることが多いです。しかし、昨今はEX向上のためのデジタルツールが数多く登場しており、それらを活用することで個別性の高い施策を実行し、メッセージを届けることが可能になっています。

    ぜひアンテナを張って、国内外でどんなツールがあるのかを見てください。人事にはそうしたデジタルツールに対する目利き力も必要となってきます。

    エンプロイーエクスペリエンスサーベイ2022調査結果(速報版)はこちら

従業員エクスペリエンス改善によるエンゲージメント向上の事例 〜HRテクノロジーの活用方法〜

株式会社HRBrain 執行役員 / ビジネス統括本部 本部長 吉田 達揮

従業員エクスペリエンス(EX)とは

HRBrainでは、個人の成長と企業の成長を、持続可能にすることを大切にしています。
従業員は、様々な体験を繰り返すことで、従業員エンゲージメントの上下も繰り返しています。

まず、企業からのより良い従業員エクスペリエンスの提供があって初めて、従業員エンゲージメントが高まっていくと考えています。

例えば、『仕事に没頭できていない』という結果的な状態(KGI)を解決するには、『仕事の進め方を理解できておらず仕事が進めづらい』という具体的なKPIまで落とし込むことが必要です。そうすることで、組織改善の一歩目を踏み出すことができます。

その際、ポイントになるのが『従業員の期待値』です。
満足度・納得感を調査することに加え、従業員の期待値を把握し、
そのギャップを埋めることで、エンゲージメントの向上に繋がります。

人的資本経営から捉える従業員エンゲージメント・EX

エンゲージメントやEX向上には、正解がありません。
エンゲージメントやEXを、いかに定量的に捉えていくか、また、いかに体系的に捉えながら進めていくかがポイントになります。
そのためにも、一貫性のあるストーリーで捉えていくことが重要です。

ストーリーに対する納得感においては、インプット、アウトプット、アウトカムの流れに沿ってストーリーを組むと分かりやすいです。まずは人事部門のKGIを策定し、そこから具体的な取り組みを行うことが大切です。
また、指標の定量把握においては、HRテクノロジーの活用が有効です。従業員の基本情報やスキルなどのハードデータを一元管理し、エンゲージメントをはじめとするソフトデータをスムーズに収集・分析・開示することが可能になります。

EXを改善していく際には、具体的に可視化することがポイントとなります。
『ストレス反応が高い』『一体感がない』といったデータが得られたとしても、どうアクションすればいいのかがわからないことがよくあります。
体験にフォーカスしていくときに、もう一段階ブレイクダウンすることで、各現場において意思決定ができるようになります。

『EX Intelligence』を活用することで、『営業部の中に課題がある』だけではなく、営業部の中の『20代×新卒』の『支援』に問題があるということが、正しく理解できるようになります。

HRBrainについて

「HRBrain」シリーズは、「HRBrain タレントマネジメント」をはじめとし、組織診断サーベイ、人事評価、360度評価、労務管理、社内向けチャットボットの6サービスからなる、人事業務の効率化から人材データの一元管理・活用までワンストップで実現するクラウドサービスです。引き続き、人事領域のデジタル・トランスフォーメーション(DX)のさらなる促進に加え、ESG経営、人的資本の情報開示などに対して貢献できるよう、機能拡充を進めてまいります。
サービスURL:https://www.hrbrain.jp/
資料ダウンロード:https://www.hrbrain.jp/contact-document-series

HR大学の紹介

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これからも人事の方々に役立つ情報を発信してまいりますので、ぜひご覧くださいませ。