(第31回)塩と赤ちゃんの体重増加 その2
絵はmofusandより。
(第30回)塩と赤ちゃんの体重増加 その1からの続きです。
今回の論文紹介は日本語ですが、2016年に僕が書いた論文より、塩が赤ちゃんの体重増加にもたらす効果についてです。
前回、NICUに入院して小腸瘻を作った赤ちゃんで、塩を投与されている子が体重増加がよくなるかどうかを見る、後方視的研究をします!というお話をしました。
対象患者は、NICU入院中に小腸瘻を造設した赤ちゃん8人。
塩0.2-0.3g/kg/dayを1日3回に分けて経口投与もしくは胃管からの注入による投与された子です。
Primary endpointは
塩の投与前後での体重増加
(塩の投与前後で最短6日間から最長14日間の平均で比較)
Secondary endpointは
血中Na濃度、尿中Na濃度、腸瘻からの排液、尿量
結果として、研究の対象になった赤ちゃんは8人の内訳は
出生週数は中央値31週1日(24週1日~40週0日)
出生体重は中央値906g(566~2862g)
疾患は胎便性イレウスが3人、壊死性腸炎(NEC)が3人、ヒルシュスプルング病が1人、先天性腸閉鎖症が1人でした。
一口に小腸瘻といっても、残存小腸がものすごく短い空腸瘻の子が2人、そこそこの長さが残っている回腸瘻の子が6人でした。
というのが、前回までのまとめです。
まずは結果の一覧表を示しましょう。
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