「春と桜」 本多裕樹 詩
「春と桜」
1
春風が舞う、花びらの演舞に
時の宝石がちりばめられて泉に映る月に見とれる
愛を歌う虫の声
鳥たちのさえずり
どこからともなくやってきた
2
見よ花の結晶の光る存在を
たしかに息があり
花々はちりつつも
大地に生命を宿すのだ
果てはどこまでも君の想いに
3
時の終わりを夢に見て
草原のメビウスも輝いている
空をみあげて目を潤ませて
花の名前を唱えながら
種を植える
4
雑文を書きながら茶を飲み
桜のちるのを眺める
生命の躍動もあれば
滅ぶ姿もまた生命で満てるのだ
儚き夢を見ているかのよう
5
さまようように生きている
幻想の赤い血は地面を覆い
花々でいっぱいだ
そこに魅力を見いだし
傍観者のように心離して呆然とした
7
空は灰色になったが
木々の花によって
血染めの野がひろがった
君の想いはこのように
僕に伝わる想いにかわるのだった
2023年6月21日 honda・yuki