25日目 スペイン・ポルトガル3,000kmのロードトリップスペインベテラン撮影コーディネーターのぶらり旅
25日目
猛暑は遂にガリシアにもやって来た。テレビの天気予報ではスペイン中が赤くなっている。今日は湿気が多いので尚暑さを感じる。オリンピックのパリも異常に暑く、選手たちは大変そうだ。
Aと一緒に朝のうちに海岸を一時間ほど散歩する。歩いている間に潮がどんどん満ちてくる。水際に小さな魚たちが泳いでいて、いかに海がきれいかが分かる。海藻が沢山打ち上げられている所がある。一時期海藻を食用に加工するために日本の技術を学んだというニュースを見たが、どうなったのだろう。そういえば新聞で、ガリシアでは今年242のビーチが禁煙になったという記事を読んだ。スペインでは日本のように携帯灰皿を持ち歩く習慣がないので吸い殻は浜に捨てるから、これも海をきれいに保つために役立っていると思う。全国的に見習って欲しい試み。
Aは目標の10kmに向けて歩き続けると言う。私は暑いので家でこれからの旅の情報を調べたりする事にする。
アストルガのガウディ建築の存在は以前から知っていたのだが、Aがサンタンデールの近くにも一軒あると言う。調べていくと他にも一軒。いずれも通り道と言っても良い位置にあるので今回アントニオ・ガウティ(1852-1926 スペインを代表するモデルニズムの建築家)の3つの作品を見よう、と考えている。世界遺産に指定されている7つの作品はバルセロナに集中しているが、レオンに二つ、カンタブリアにも一つあり、二つは2010年以降に一般公開されるようになったので見たことがない。その上アストルガはウェブのコンタクトから希望すると、月曜日の入場が無料になるかもしれないと書いてあるので、早速メッセージを送る。どうなるか、楽しみ。3つの建物はこんな所。
Palacio de Gaudi (1889-1915)ガウディ宮殿と美術館 アストルガ ガウディに工事を依頼した司教が建設途中で亡くなったため、一時中断。ガウディは工事の再開を求めたが、かなわず、改めて依頼されたが、彼はその当時すでにバルセロナの色んなプロジェクトで忙しく断ったので、2階部分は別の建築が仕上げた。本来は聖公会宮殿だったが、その後色んな用途に使われ、1964年からはサンティアゴ巡礼路博物館として一般公開。新ゴシック様式のモダニズムの建物。
Museo Casa Botines・Gaudi (1887-1891)カサ・ボティネス・ガウディ美術館 レオン シモン・フェルナンデスとマリアーノ・アンドレスの繊維販売事業および交換所の本社として1 階は商業スペース、地下は倉庫。 貴族の階は不動産所有者の住居、上層階は賃貸物件。傾斜した屋根裏部屋には保管室と管理人の家がガウディによって建てられた、初めての集合住宅でもある。
1929 年に地元の信用金庫が建物を購入、2017 年まで銀行として使用され続け、同年カスティーリャ・イ・レオン財団 が美術館として一般公開、現在に至る。
El Capricho エル・カプリチ(1883-1885)コミージャス エル・カプリチョはその名も創意工夫や空想がルールを破った芸術作品という意味。バルセロナのカサ・ビセンスと並んでガウディの最も古い作品の一つ。ガウディは理想の家とは何かを提案し、空間、その環境、依頼者の好みとニーズを完璧に統合した注文建築を作った。その後建物は住む人が変わったことにより改築され、放置されていた時期もあったが、1969 年に重要文化財に指定され、集中的な修復工事で当初の外観が回復され、1989 年から 2009 年までレストランとして使われたが、2010 年住宅博物館となり、現在に至る。音楽と建築を融合した建物。
という訳で、楽しみが増えた。一方熱波はしばらくの間続く模様で、ここガリシアやサンタンデールは涼しくなるが、ウエスカは9-15日が祭りでその上連日36-38℃の予報。グラウスも32-36℃の予報。むむむ。さてどうするか。
夕方オリンピックでナダル・アルカラスがオランダチーム、フリークスボールとクールホフとダブルスで戦う。相手はダブルス優勝経験もある強豪。しかしそこはトップアスリートの二人、タイブレークもうまく乗り越え、準々決勝進出。明日は対アメリカ。
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