贋作/詩

私の命は贋作で
全てのことは虚構の骨組み
都会のビル群の全ての虚構が
人々の生活の虚構を虚構たらしめる
私の周りは全て虚構で
虚構の重なりが繋がりあって
新しい虚構を作る
いわば全ては虚構の積み重ねで
きっと私の鼓動も虚構に過ぎないのだろう
ハリボテの魂を抱えて海を眺める
それは虚構の漣で
私は虚構に耳を傾ける
存在しないはずの音を拾い上げる
それは間違いなく虚構で
私はその光る虚構をオーパーツのように慈しむ
私は虚構で塗れていて
私は虚構として生きている
この生命も目に映る全ても虚構ならば
明日はきっと贋作
明日もきっと贋作
僕たちの命は贋作で
ただひたすらに虚構を積み重ねるハリボテで
救いを求める誰かにとって
救いの手になる贋作がある