[Vol.1] コロナ禍における熊本のアーティストたちの新しい表現の可能性を発掘せよ! - アーティストスポットプロジェクトPV撮影① -
気がつけば2021年ももう6月。新年になってから早くも半年になろうとしている今日この頃ですがみなさまいかがお過ごしでしょうか。コロナウイルスのワクチン接種も徐々に広がり、またまちに活気が戻ってくることを祈りつつ、まだもう少し落ち着くのには時間がかかりそうですね。
そんなコロナ禍において、発表の場が激減してしまった熊本のアーティストたちを応援しよう!という熊本市のプロジェクトが、昨年より動き出しました。その名も【アーティストスポット熊本】プロジェクト。熊本市在住*のアーティストとスポット(場所)とを結びつけ、新しい発表の機会を創出していこうというプロジェクトで、こちらの企画からHub.craftも全力でお手伝いをさせていただいております。
とはいえ時代はコロナ禍。ただ人を呼んで集めてライブ!をすることは難しい。それでも新しい表現の形を目指して、市民へアートを届けようとさまざまなチャレンジが生まれたこちらのプロジェクトのPV撮影が先日行われ、アーティストスポットならではの素敵なPVが3本公開されました!Vol.1ではそのPVの撮影に今回ご協力いただきました杉本匠さん(MV制作ディレクター / Shiki)、Vol.2では中川典彌さん(動画クリエイター / 映gentRoman代表取締役)のインタビューとともにご紹介させていただきます!
*熊本市内在住または熊本市内を中心に活動されているアーティストが対象
「どうやって実現できたの?!」プラネタリウムでのパフォーマンス | 杉本匠 (MV制作ディレクター / Shiki)
ー杉本さんのお仕事についてお伺いできますか?
杉本さん(以下杉本)「はい、僕はShikiというバンドのベース兼リーダー業と、もうひとつお仕事をさせていただいてダブルワークしています。バンドでは自分たちの音楽の制作やいろいろな企業さまの楽曲を作ったりするほか、僕は物販のデザインやアートワークからMVのディレクターなども自分たちでやっています。もう一つのお仕事は、以前は林業を手伝っていたりした時期もありましたが、今はやはりエンタメ業界のお仕事がしたいと思い、ある劇団のお手伝いをさせていただいています。」
ー今回アーティスト・Shikiさんとしての参加だけでなく、アーティストスポットのPV制作全体のディレクションも担当していただいたのですが、杉本さんとしては今回のPVのコーディネートではどんなことを意識されていましたか?
杉本「これまでバンドのMV撮影をする時には基本的にイベントスペースあるいはレンタルスペースとして営業されているような場所をおさえ、自分たちで予算も組まなくてはいけない関係もあり、小さいところを借りて1台のカメラで撮ることしかできませんでした。ですが今回熊本市のプロジェクトとして"新しいスポットの開拓"も目的にあったことから、できるだけ広くて、絶対普通ならこんなところではできないよね!というようなところを意識しながら場所を探しました。
例えば今回、Mercy WoodpeckerのPVで使わせていただいた熊本城ホールのメインホールホワイエも、今までそこで楽器で演奏をされたことがない場所ということで、そういうまだ前例のない場所とアーティストたちを繋げられるように、とチャレンジさせていただいた場所のひとつです。」
<Mercy Woodpecker × 熊本城ホール メインホールホワイエ>
ー今回のPVは、どなたに一番みて欲しいと思って企画されましたか?
杉本「やっぱり一番はバンドマンですね。今回のMercy Woodpeckerとかは、コロナ以前は県外のライブハウスなどにも頻繁に出演していて本当に頑張っている子たちで、そんなふうにがむしゃらに頑張れば、こんなふうに熊本城ホールっていう立派な場所でのパフォーマンスに繋がるんだよといったところを見てもらえたらと思っています。」
ー杉本さんは今回プラネタリウムでアーティスト・Shikiとしても撮影に参加されましたが、周りのPVを見た方からの反応などはいかがでしたか?
杉本「本当にさまざまなお声いただきました。とにかく映像が楽曲とリンクしていて素敵だった!というお声とか、どうやったらそんな博物館のプラネタリウムを貸し切りにして撮影することができるんだ?なんていうノウハウの部分に興味を持ってくださる方もいましたね。あのPVを見て、"俺たちもあんな場所で演奏してみたい!"といった話も聞こえてきました。そういうふうに言っていただいた方には、アーティストスポットのサイトにアーティスト登録しておくともしかしたらチャンスがあるかもしれませんよ!とお伝えしておきました!(笑) 」
<プラネタリウムで撮影中のShikiのみなさんとチーム・Hub>
ー実際にアーティストの立場から見て、アーティストスポットのサイトで登録アーティスト一覧とスポット一覧が見られることでどんなメリットを感じられますか?
杉本「今までは、イベントをやろう!と思ったら1個1個そういえばあそこイベントスペースあったなって思い出ながらそれをネットで検索して、ここ使えるのかな、1回電話しなきゃいけないなみたいな流れがすごく手間だったというのはありますね。なのでやれる範囲とか探せる範囲が狭まっていたので、このアーティストスポットのページを見れば、イベントができる場所が一覧になっているというのは、すごくやりやすいなっていうイメージが僕の中にありますね。
あと、例えば今回、新たに店舗のちょっとしたスペースを使っていいですよ、というところも登録してくださっていて、そういうのは今まで本当に実際にその場所に行ったことがないと見つけられないものだったので、そういうスポットがまとまっているのもとても嬉しいですね。」
ーこれからのアーティストさんたちに伝えたいことはありますか?
杉本「このコロナ禍で、表現の形が変わってきていて、ライブハウスでイベントできないからもうライブできないって言ってるバンドマンがいっぱいいて、そんな中でもライブをしたいなら、本人たちがしっかりと今後新しい発表の場となるスポットとのコミュニケーションの仕方であったりとか、表現の仕方とかを考えていかなきゃいけない。
また表現の形が、お客さんの前で表現するっていうことだけじゃなくなっていってる時代がさらにコロナで加速してるので、オンライン上での機会が増えて、その分、逆に1つ1つの表現がオンラインの中で埋もれていってしまう。そうするとこういうことが僕らの持ち味だっていう長所をできるだけ伸ばしていかないといけないんじゃないかなとも感じています。
あとはすべてがオンライン化しているからこそ何かリアルの場が持てる時には、その体験が以前よりも特別になっていると思うので、その場の作り方なども僕たちもいろいろ考えてさらに特別な体験をお届けできたらと思っています。
コロナでライブができない日々が続きますが、それを逆手にとってプラスに変えられるようなプロモーションを僕たちもチャレンジして行けたらと思っています。」
<【アーティストスポット熊本】事業PR映像作品 Shiki×熊本博物館(プラネタリウム)>
<【アーティストスポット熊本】事業PR映像作品 柴田樹×志娥慶香×Saki×ルーテル健軍教会>
次回Vol.2では熊本城ホールでの撮影に参加してくださった中川典彌さん(動画クリエイター / 映gentRoman代表取締役)のインタビューとともに撮影の裏側をお届けいたします!
インタビュー:杉本 匠(MV制作ディレクター / Shiki)
プロジェクト:アーティストスポット熊本(熊本市)
文:谷本 明夢