さらっと呟いていたワインぶどう農家さんの本音。
干杯!
先週、ぶどう農家さんへ行ってきたことを書き綴りました。そこで、大事なことを書き漏れていたので今回はその補足です。
それは、竹崎さんがサラッと話してくれた農家ならではの悩みについてです。
これ、ワインに限らず、もしかしたら他のシーンでも起きているかもしれない?重要な問題だと感じました。
どんな悩みかというと・・・
AとB、2本のぶどうの樹があります。
Aは糖度の高い美味しいぶどうができました。熟すのが早いせいでぶどうに含まれている水分は少ないそうです。
Bは熟すのがゆっくり。その分、たっぷりと水分が含まれたぶどうができあがるそうです。
さて、この2本で、高く売れるぶどうはどちらでしょうか?
よくお肉屋さんなどで買い物をする方ならすぐにわかるかもしれません。そう、答えはBです!
理由は簡単で、「kg=○○円」と重量によって値段が決まっているからです。
水分の少ない熟熟なAよりも、Bの方が重量が重い。ただそれだけで、Bの方が高く買い取ってもらえます。
でも、本当に美味しいワインが作れるぶどうはどちらなのか?言うまでもありません。
しかも、ぶどうってぎっしり実が詰まって実っていくものより、少しスカっと間が空いてる方が各粒に栄養が行き渡りやすく、いいものになりやすいとのこと。
美味しいぶどうが作れたのかどうか、よりも、重量のあるぶどうが作れたのかどうかで農家さんの売上が変わってしまう現実。
もちろん、それでも竹崎さんのようにこだわりをもって本当に美味しいぶどうを作ろうとする農家さんもいるのでしょう。でも、それに見合った仕組みが構築されていないのは、悲劇だなと思いました。
「今年はいいぶどうができたなぁ。」
笑顔で軽くさらっと言う言葉の重みたるや。
値付けって昔のまま変わってないものって、他にもありそうだなと思います。時代の流れに乗って量よりも質を重んじるようにしていかないと、立ち行かなくなっていくところも増えていくのではないでしょうか。
この出来事は、自分の中にしっかりと刻んでおきたいと思います。