言葉で伝えきれない想いを、モノに託す。
実家に戻ると帰り際、母の「あれ持って行きなさい、これも持っていきなさい」攻撃が始まる。
ドラマの中の世界や、現実の世界でもたまに聞く話で、人によっては「あるある笑」って、笑えちゃう話かもしれない。
また反対に、おせっかいに感じたり鬱陶しいと思ったり、重荷に感じている人もいるのだと思う。
プレゼントって、意外と難しい。
自分にとってはうれしいものでも、相手にとってはそうでもないものだったり。
そのズレって意外と、渡す側ももらう側も、心に残ってたりして。
私は少し前まで何年か、プレゼントし合うことに煩わしさを感じていた。
「余計なもの」をプレゼントしあって見えないところで少しずつすれ違ってしまうよりも、確かな言葉だけで伝えよう。
そう思っていたし、そうしてきた。
前向きだけど、逃げだったようにも思う。
こないだとあるドラマの中で、冒頭のような流れがあった。
「お母さんは、なんでいろいろ持たせようとするの?」と娘が問うシーン。
プレゼントの交流から遠く離れていた私にも、すごく気になることだったので、そのシーンはすごく印象に残っている。
お母さんが答えた。
「言葉で伝えきれないことを、モノに託しているのかもね。」
なんだかよくわからないけど、
私の心の薄暗かった部分に、やさしく光を灯してくれたような、そんな返事に感じた。
目に見える贈り物はモノだけだけど、そこにある言葉では伝えきれない想いも含めての贈り物。
わかっていたようでわかっていなかった部分を、そっと教えてもらったような気持ちになった。
おめでとうや、ありがとう、がんばって。
たしかに、言葉だけでは到底伝えきれない想いに、もどかしさを感じることもあった。
恐れずに、伝えきれない想いをのせたプレゼントをしたいと思ったし、もしいただいたときにも、その想いも込みで受け取れる、そんなふうになっていけたら。
とってもステキだな思う。