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今週の名言「面白きこともなき世を面白く住みなすものは心なりけり」(高杉晋作)

ほんもの寺子屋では毎週時間割を更新していますが、
令和6年度2学期より、空いたスペースに
先人の名言を掲載することにしました。

古来大切にされてきた名言・金言は、
これからの先の見えない世の中を生きていく
子どもたちの大いなる糧となることでしょう。

今は右から左にスルーしてしまっても、
人生の中でこうした言葉と
再びめぐり逢うことが何度もあることでしょう。

わたしたち大人だって、そんなものでした(笑)
じわじわと、言葉の深みに氣付き、
自分のものとしていってもらえたら、
これほど嬉しいことはありません。

今週の名言 (令和6年度9月第2週)

面白き こともなき世を 面白く
住みなすものは 心なりけり
(高杉晋作 幕末の志士)

高杉晋作は長州藩(現在の山口県)出身で、
江戸時代の終わり頃、徳川幕府を倒そうという
倒幕運動の代表格に挙げられる人物です。

高杉晋作(Wikipediaより)

「政府を倒そう」とは大変な話です。

今みたいに政党政治ではありませんし、
幕府とは軍事政権に他なりませんから、
これを圧倒するというのは、
ちょっとやそっとの頑張りで
どうにかなるものではありません。

とはいえ、幕府の求心力が年々衰えている中、
外国船が日本にやってきて
圧倒的な兵力を見せつけながら
開国を迫っている時代。

「幕府の腰抜けどもが
我が国の国益を損なうような決定を次々交わしていては
いずれ国が滅びてしまう」

そんな危機感が、幕末の志士たちにはありました。

国を憂う心が、倒幕へ向かう原動力でありました。

加えて、長州藩は「天下分け目の戦い」である
関ヶ原の戦いにおいて、敗戦国でありました。
このほか、薩摩藩も同様に敗戦国。
江戸時代、両藩は苦しい立場にありました。
この辺も、倒幕意識が芽生える火種だったわけです。

長州の高杉晋作は、若くして「奇兵隊」を率いることに。
藩の正規軍ではなく、一般人からも兵を募った
プロアマ混在の軍隊だったので「奇兵隊(=非正規軍)」。

奇兵隊(Wikipediaより)

彼自身は28歳の時に肺結核で命を落としてしまうのですが、
奇兵隊の中には、後の初代総理大臣となる
伊藤博文も名を連ねていました。

伊藤博文(Wikipediaより)

高杉晋作は伊藤博文の兄貴分で、友人でした。
ともに吉田松陰の松下村塾の門下生です。

つまり、様々な条件が違っていたら、
初代総理は高杉晋作だったことも
あり得ない話ではありません。

さて、今回の名言を今風に言ったら、

「面白くもない世の中を面白くやっていくのは
その人の心次第だ」

という、シンプルな話です。

字面の理解は容易ですが、
この言葉を人生で実践する大人が、
今の日本にどれだけいることか・・・

わたしも偉そうなことなど言えませんが、
中高生の頃、
「つまらない勉強を、どう楽しむか」ということを、
勉強よりも真剣に考えていました(笑)
仕事でもそういう所がありましたので、
高杉晋作のこの言葉は、実にしっくりきます。

仕事も勉強も、楽しんで続ける人が無敵。
ほんもの寺子屋に通う生徒たちも
そんな無敵の境地に入ってもらえたら嬉しいです。

文:前田友和

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