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やさしく、じんわり。「好き」を考える。

30歳が近づくにつれて、「好き」の定義が変わってきたと思っている。

学生時代に感じてきた
かっこいい!イケメン!好き!
っていう単細胞な思考回路も未だに無くはないけれど、

それ以外にも、
ああ、なんかこの人のこと大切だな、
と、やさしく、じんわり、温かい感情を抱くような。
そんな感覚を「好き」だと捉えることが増えてきた。

今、多分だけど、そう感じている相手が1人いる。

何ていうか、一緒にいて全然気を使わずに自然体で過ごせる人。
もしかしたら彼が気を遣ってくれるおかげで、私がそう感じられるのかもしれないけれど、2人で出かけることもままあって、いろんな話をするから、近況はよく知っているし、お互いの人となりを理解できている部分も多い。

「愛情」と呼んだ方が適切な表現かもしれない。
今までの「好き」とは違う、おだやかで、じんわり、やさしい気持ちになれる感覚。
こんな人と将来一緒に暮らせたら、良い関係が築けそうだな、幸せだろうな、とも思う。

でも、会話の節々で、彼から恋愛対象として見られていないこともわかる。

恋愛って本当にむずかしい。

「男は一瞬で好きになって、女は時間をかけて好きになる。」
最近の私は本当に典型的で、時間をかけないと好きになれない。
たとえ超絶どタイプな外見だったとしても、かっこいいと思うだけで一目惚れは出来ない。

だから、これまでの恋愛も、いつも身近な人を好きになった。
相手のことをよく知っていくに連れて、愛情が湧く。それから好きになる。

問題は、初対面や、接点が少ない人のことは、よく知りたいと思えないこと。
これは本当に私が悪いんだけど、マッチングアプリや街コンだといつも、1回会ってそれまでで終わってしまう。ちょっと良いなと思っても、2回目まで頑張れない。

いつか私が恋愛で報われる日は来るんだろうか。
こんな調子じゃ一生男の人とうまくいかない気がするな。頭ではわかっている。

気になる彼のことは、まだしばらく静観しておこうと思う。
もし男女の友情が成立するんだとしたら、我ながらなかなか良い関係だと思うんだよね。
(ちなみに私は断固として成立しない派、)

夜中、「終電無いから迎えにきて」の電話にも、しょうがないなあって笑いながら答えて、車のキーを持って外に出る。
すっかり着古した部屋着から、少しだけ新しいTシャツに着替えたことを、きっと彼は知らないだろう。

穏やかな感情を共有できる関係になれたらいいのにな、と、車を走らせながらぼんやり考えていた。