【HSC + ASD】不安感が生む困難と寄り添い方
1. はじめに
こんにちは、HSPのマメと申します☺︎
HSCとASDを併せ持つ息子のマコト(仮名)は、幼児期から強い不安感に悩まされてきました。マコトの不安感が強い時、彼の感覚過敏は悪化して、外出時の制限や学校生活の困難が増えるなど、日常生活全般に影響を及ぼしてきました。
彼にとって不安への対処は、感覚過敏を和らげるだけではなく、自己肯定感を育むためにも重要な課題です。特に問題が目立った幼児期〜小学校中学年にかけて、不安感と向き合う中で感じた気づきや具体的な工夫について、この記事でお伝えします。
2. 不安感の特性と影響
【二次障害】不安感のきっかけとなった園生活
マコトの不安の始まりは、幼稚園での出来事です。彼自身が初めての集団生活の中で周囲との違いを目の当たりにしたことがきっかけでした。
発達性協調運動症のマコトが2〜3歳半まで過ごした公立幼稚園では、加配制度※ はなかったので、私が降園まで園内で付き添いました。階段の昇降、靴の脱ぎ履き、お弁当箱の扱いなどあげればキリがありませんが、マコトにとって園生活は、できないことばかりでした。
彼の自尊心を守れるように一定の距離をとりつつ見守り、必要な場面では近付きフォローしていたので、何かができなくて困っていた、ということはありません。また先生に何かを指摘されることも、お友達にからかわれたり、意地悪をされたこともありませんでした。
それでも大きな不安を抱えるようになっていったことは、彼が持つHSCだからこその心理的な敏感さが大きく影響したと感じています。
まだあまりおしゃべりはできませんでしたが、とても周囲をよく観察していましたし、自分ができない作業に対して、おともだちが手伝ってくれると、静かに、ただ、悲しそうな表情をしていたことが忘れられません..
そうして少しずつ、自信を失っていったことを鮮明に記憶しています。
周囲の視線を怖がるようになり、チック(首すくめや空咳)、感覚過敏の悪化、不眠なども気になり始めました。
不安と感覚過敏との連動
不安感が高まると、マコトの感覚過敏が一層強くなることは、彼の成長過程を見守る中で何度も実感してきました。特に音に対しての過敏さは、賑やかな場所では短時間でも彼をぐったりとさせるほどでした。
小学校の校内での付き添い時には、学校行事のようなイレギュラーな場面で不安定になる支援学級のお子さんが目に付きました。
マコトも全校生徒が集まるような際にはイヤーマフを装着していましたが、校長先生からはイヤーマフに頼らず自然な状態を慣らしていくように、とのお話が。
けれども、前述の通り過敏は不安と連動しています。「学校環境に不安なままだといつまでも校内の雑音は不快なままなので.. 」、となんとかイヤーマフの使用を認めていただくよう学校へお願いをしました。実際、本人が安心だと感じられる環境では、多少賑やかな場所であってもイヤーマフは必要ありませんでしたし、不安が軽減されてからは、やはり自然とイヤーマフを使う機会はなくなりました。
(現在では雷の時にだけイヤーマフを引っ張り出しています..☺︎)
不安の強い時期に、視線を遮るための帽子や、匂いを軽減するマスクもマコトにとって外出時には欠かせないアイテムになっていました。
3. 不安感への対処法と環境調整
薬物療法の一助
一定期間、主治医から処方された※エビリファイを服用することで不安が和らいだ時期もありました。ただし、根本的な解決には環境調整や見通しを立てる工夫が必要だと感じました。
見通しを立てる大切さ
不安を軽減するためには、マコトにとって適切な環境を整えることが重要でした。様々な二次障害の引き金にもなった公立幼稚園は退園を決意。翌年、療育園(毎日の療育)へ入園できる時期まで数ヶ月は自宅でゆっくりと過ごしました。
入園準備としては、事前に見学した療育園の園内や先生の写真を見せておくことで、「未知の場所」ではなく「見慣れた場所」として安心感を持って療育園の入園式を迎えることができました。
視覚優位なために視覚情報に頼る彼にとって、家庭での事前練習や写真や映像をを活用した準備は、不安を軽減させ、大きな効果がありました。
4. 不安感を和らげるための習慣
知識を得ることで安心感を持つ
中学生になった現在、不安感を乗り越えるために学んだ知識が大きな助けとなっています。彼は、自律神経の仕組みや呼吸法、脳内物質セロトニンの役割を学び、マインドフルネスや瞑想を取り入れることで、自分の状態を理解し対処する力を養っています。
感覚過敏を活かす工夫
触覚過敏により、不快な感覚だけでなく、触り心地の良い毛布やぬいぐるみが彼にとって大きな癒しとなっています。また、調香師の先生による4年間のセッションでは、お気に入りの香りを見つけ、マスクやハンドタオルに数滴染み込ませることは、外出先でも落ち着きを取り戻せることに役立ちました。
5. まとめ: 不安感への理解を深めるために
不安感は決して性格の問題ではなく、特性に基づくものです。適切な支援や環境調整を行うことで、不安を和らげ、自己肯定感を育むことが可能です。
感覚過敏や不安感が目に見えにくい分、周囲の大人がその特性を理解し、子どもが安心して過ごせる環境を整えることが何より重要だと感じています。
そのためには、日本の学校教育が画一的なものではなく、学ぶ環境や学び方において幅広い選択肢が可能になることを、1日でも早く実現されることを望みます。
同じ悩みを抱える方々に少しでも役立つ情報をお届けできれば嬉しいです..!
最後まで読んでくださり、ありがとうございました🙏✨
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