HSC+発達障害の息子が教えてくれたこと〜敏感さが生む課題と支援の可能性〜
息子・マコトの敏感さと課題
こんにちは、HSPのマメと申します☺︎
息子のマコトは、ASD(自閉スペクトラム症)の特徴としてよく見られる感覚処理障害(SPD)が顕著に見られる一方で、HSC(Highly Sensitive Child)の敏感気質を併せ持っています。この二つの特性が組み合わさることで、彼の生きづらさは非常に複雑なものとなっています。
( ※この記事で、息子をマコト(仮名)と呼びます。)
HSCと発達障害の視点を広げる
HSCと発達障害は、それぞれ異なる特性を持つ脳の個性ですが、息子のように同時に併せ持つことは自然なことだと感じています。
HSCに焦点を当てる親御さんの中には、発達障害については、もっと特別な症状だと捉えられている方もいらっしゃるかもしれません。しかし、発達障害=『特性』はグラデーションであるために、偏りが大きい人もいれば小さな人もいて、ほとんどの方にとって無関係ではないものです。またHSCの特徴だけに該当する場合であっても、自閉スペクトラム症やADHDの対処法は、定型発達児を含め、誰にとっても非常に有効であることは多くの事例で確認されています。
HSCと発達障害の違いだけに注目されるよりも、両者が重なるケースもあるという視点を持つことは、お子さん本人にとって大きな助けとなり、より適切な支援が可能になります。
マコトの具体例と二次障害
マコトは、HSCと発達障害の両方を併せ持つからこそ、園生活で深く周囲との違いを感じ取り、大きな自信喪失へと繋がりました。その結果、次のような二次障害が現れました。
▶︎他者視線恐怖症
視線を怖がり、外出時は帽子で顔を隠すなど顔を伏せるようになりました。
▶︎感覚過敏の悪化
五感全てが過敏でしたが、特に音の過敏さが強く、不安感と連動して悪化。園内の物音や子どもの声に対して負担が大きくなりました。
▶︎チック症状
空咳払いや首をすくめる動作が頻繁に見られるようになりました。
▶︎不眠と悪夢
夜には眠れず、悪夢にうなされることが増え、「できない」「わからない」という寝言を繰り返すこともありました。
▶︎登園しぶり
これらの困難が重なり、最終的には登園時に不安が強いことが伝わってきました。そんな時でも泣いたり私を困らせることはしないのですが、ただ、繋ぐ手がギュッと強くなったことに気付きました。
支援が届きにくい現実
マコトのように、HSCと発達障害を併せ持つお子さんは、目立たない困りごとを抱えることが多いため、必要な支援が届きにくい現実があります。園や学校生活での付き添いを通じて実感したのは、支援の対象となるのは主に周囲に影響が大きい場合であることが多く、教育現場の支援体制に余裕のない実態では仕方のないことかもしれません。
例えば、マコトは困りごとを言動で伝わることはなく脳内パニックの状態なので、集団の中で周囲が彼の異変に気付くことはありません。ぼーっとしている、といった印象です。
私は息子が小学校1年生当時に、校内で付き添いの間、通常学級でも静かに困っているお子さんを見かけることがありました。
合理的配慮は、教育現場の働き方が見直されない限り、きちんと実現することは難しいと感じます。
またマコトは発達性協調運動障害のため、極端に不器用で、できない活動が多かったのですが、それを周囲に伝えることもできず、一人で抱え込むことがよくありました。彼が支援の先生にヘルプを出せなかった理由は、目立つことへ抵抗がある心理的な敏感さ、言葉選びの慎重さなどがありました。
HSCと発達障害の理解を深めるメリット
HSCのお子さんを持つ親御さんにとって、発達障害の特性や対処法について学ぶことは、多くのメリットをもたらします。たとえ診断がなくても、感覚過敏や不安感への対応はASDやADHDへの対処法と重なる部分が多いためです。また、HSCと発達障害を併せ持つ場合、マコトのように二次障害に繋がるリスクはさらに高くなるため、親が早期に適切な知識を持つことは重要だと実感しています。
敏感さを持つお子さんが、自信を失わずにその特性を活かして生きていけるよう、親としてできるサポートについて考えるきっかけになれば幸いです..!
最後まで読んでくださり、ありがとうございました🙏✨
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