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ブックサンタになってみた

一時帰国中です。
と言ってもちょっとした家族の用事を片付けるために来たので,お休みではなく,米国時間で仕事をしつつ,あとはボチボチ色々と片付ける,という感じです。

さて,いきなりですが,ブックサンタになってみました。

先だって東京駅付近で用事があり,その後に丸善本店へ行きました。
ここ最近は専らKindleな私ですが,それでも紙でしか手に入らない本もたくさんあり,一時帰国は書籍調達の絶好機です。なので書店には頻繁に行くことになるのですが,記念すべき今次の第一回目,こんなポスターを店頭で見つけました。

このチラシは,Webサイトで配布されている個人の紹介用チラシなので,店頭で見たポスターとは少し違いますが,そこはご了承を。

ブックサンタの合言葉
あなたも誰かのサンタクロース
本来、クリスマスや誕生日は子ども達が胸を弾ませ、ワクワクする一大イベントのはずです。
でも実は、そのお祝いをすることが難しかったり、お祝いにしんどさを抱える家庭の子ども達がいます。その数、日本国内に推計約200万人。
ブックサンタは、こうした子どもたちに本を届けることを目的として2017年から活動を始めました。2024年9月時点で、参加書店は1,868店舗。これまで269,333冊の本が寄付されています。しかし、現実は、まだまだ行き渡っていません。
ぜひ、あなたの力をお貸しいただけたら、うれしいです。

ブックサンタ公式Web https://booksanta.charity-santa.com/より。

この言葉がすべてを語っています。

https://booksanta.charity-santa.com/

自分の本を買う時に,一緒に自分で選んだ「小中高生に読んでほしい本」をレジに持って行き,全部まとめてお会計をした上で,選んだ本は書店に預かっていただいて,サンタさんに託してもらう仕組みです。

人に本を送るのって,かなり気合が必要です・・・じゃない???
相手のことを知ったうえで,自分の読書経験を通して「これ」とする時もあれば,面白いと自分が思ったので何も考えず人にも勧める時もある。
「時もある」なんて言いましたが,これまでそんなこと,数回もあったかな???いずれにしても,本を送るって,自分が裸にされている気がして,恥ずかしいです。
けれど今回は,そんな事も考えず,僕が小学生の頃に読んで,そして今でも折を見て読み返す本を2冊,寄付してきました。
どちらも小学生の時の夏の集中読書会で,配られたリストから選んで読んだことを覚えています。
一冊は,小澤征爾さんの「僕の音楽武者修行」。そしてもう一冊は,大岡昇平さんの「野火」。
冷静になって考えると,かなりアクの強いセレクションですな・・・。
僕自身,小学生の時に読んで,なぜいまでも読んでいるのか漠然としているのですが,そしてある意味対極にあるような2冊ですが,けれどどちらも壮絶な「生」のお話で,そして,「生きる」ことに初めて真面目に向き合った2冊なんじゃないかな,と思います。だから今でも,色々と辛い時に読み返します。

今の小中高生に,指揮者の半世紀前の欧米放浪記や,80年前の狂人の話がどれだけ必要なのか,全然わかりません。けれど,読書は必要だからするわけではなく,読みたいから読むわけで,そういう意味では,いろんなジャンルがある方が,きっと良いと思います。読みたくなった時に読めば良いし,それが,読む時期なんだと思います。
まぁ,とはいえ手元に「野火」が届いてクリスマスに読んでみたらなんとも凄惨なお話でした,といのは,ちょっとしたトラウマを与えることになってしまうな・・・と,反省もしつつ・・・(遅いよ)。

読書は楽しいです。映画が楽しい人がいれば,音楽が楽しい人もいて,そして本が楽しい人もいる。映画見るのも,音楽聞くのも,本を読むのも,理由なんていらない。ただ,楽しいから,で,いいじゃない。
なんにでも目的や理由や見返りが求められる昨今,僕は言いたい。好きだから本を読むだけ。読むことに,理由なんていらいない。ただ,好きだから。ときには(自分にとっての)駄作に当たる時もある。けれど,それはそれでまた人生ね。そんな純粋な気持ちで本を読む人が,増えれば良いな。

2024年10月24日記

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