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短歌連作「沈めた鍵を見せたからだね」 10首

無意識の海で出会った定理へとペン走らせた七年のこと


生と死のはざまに揺れる横顔は17才の紅い月蝕


羊には羊の苦難 ソテツにはソテツの苦難 星には星の


刺して笑う狂信者のど真ん中にいつも茨のような絶望


囚われた電子回路の短絡が火花散らせて温きまぼろし


偽りの回路を裡に奉る/千の扉の深い沈黙


なまぬるいミルクの夢にお邪魔して沈めた鍵を見せたからだね


渦を巻く嘘の粒子を浄化する灯台守の優しい知性


からまったコードのような道路でもやっと話が通じてる空


沈み込むようにまぶたは閉ざされてきょうとあしたは海と青空



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Haruki-UC
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