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短歌連作「偽らなくていいアンダンテ」 14首

一階のちいさなカフェの本棚ではっと目が合う『星の王子さま』


はつなつの長い話のまえに飲むレモンスカッシュに浮かんだ緑


さみしさに苦しみながら生きました 偽らなくていいアンダンテ


「物理的な孤立とはちがうんだね?」と確認をする知性の温度


普通じゃないひとは苦しむ国と聞く 世界屈指の同調圧力


病めるほどの内向性をもつひとと仲良くしたいと僕は話した


八割の人は外向型と聞く 辺境に棲む短歌のぼくら


向こうでは馬鹿にされたと話したらよくあることと聞いて笑えた


回復に大事なことを問われたら創作ですと即答をした


「感情的になるひとでした」 ある程度乗り越えている書き方らしい


「このように話が多岐にわたるのは詩人ですね」と言われてる僕


お腹から力が湧いて来る感じ こころがぐっと上がった感じ


疫病のある街並みのせせらぎに祈りのようにこいのぼりあり


翌朝のひかりを受けてゆっくりとしなる手つきで淹れるコーヒー



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Haruki-UC
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