マガジンのカバー画像

2020年に詠んだ短歌まとめ

26
(二年目)
運営しているクリエイター

2020年8月の記事一覧

短歌×写真「太古の白を滲ます海月」 7首

短歌×写真「太古の白を滲ます海月」 7首

集めよう小さな幸せ不幸せサメをおどかす小魚の群

ハギの尾ひれがついた話を聞かされるエイのしっぽのような一日

進むため目は前にあるとの動議 元老院をマンボウは泳ぐ

水槽のきみのきもちはわからんけど竜宮城へつれていってよ

ペンギンの哲人たちが思索する天に揺らめくオーロラの示唆

無人深海探査艇の邂逅 古第三紀の赤蟹の甲

人は空ばかり見ている海溝に太古の白を滲ます海月

短歌 「希望の朝」の書き損じ 8首

短歌 「希望の朝」の書き損じ 8首

逆上がり出来る/出来ない断つ白線 壁立ち上がる東西ドイツ

餓鬼がまたマネキンとしての僕に見る暗室の芽と溜飲の井戸

急接近、急旋回をくり返すわたしの森の夢みる列車

受付のひとの語勢が荒れている ポイ捨てされる河川の水面

倒れ伏す騎士を見送る者はなく血のあとを消すながいながい雨

クローバーさがす子どもを突きとばし貫きとおす鉄製正義

隊長も仲間も捕虜も母すらも笑顔のままに欲す殺戮

小6の「

もっとみる