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VRで視力回復は本当か?

VRのHMD(ゴーグル)、目から至近距離にレンズがあってかなり目に悪いんじゃないかと思っていたんです。あんな目の前(まさに)にレンズとバックライトがあるのもダメダメだろうと。

ところが、どうも逆らしくて。

HMDを装着してVR空間を体験しているとき、目(視線)は2メートル程度先を見る状態になるため、長時間・長期間それを続けると(近視の人にとっては)普段より遠くに焦点が合いやすくなり、かえって視力が回復するという話があるのです。

ふーん(ぽち)

小学生以来のド近眼(現在の視力は0.1程度)にずっと苦しむわたくしとしては捨て置けません! 買っちゃいました『Meta Quest3』を。

興味本位にしてはあまりに高すぎる7万4800円(最低価格)

【課題】どうやって長時間入り浸るか?

課題となるのは、「どうやって長時間VR空間に入り浸るか」です。

せっかくなので没入感のあるVRの3Dゲームでも楽しめたら良いのですが、こちとら「誰得ドット絵芸人」なんて名乗っちゃうほどの2Dゲーム派ですから、VR対応の3Dゲームのラインナップを眺めていてもまったくピンときません。

唯一『バイオハザード』のVR版が目に留まったのですが、ぼくは怖いのが超苦手なのでこのシリーズを遊んだことはありません。おかしいですね、ゲーム誌で紹介記事を書いたことはあるのに。うへへ。

Meta Quest版『バイオハザード4』。買いませんよ。

しかも、たまたまですが「VRのバイオハザードは死ぬほど怖い」という噂を事前にキャッチしているので衝動的にポチったりはしませんでした。

ま、いいんです。長時間プレイするならMMORPGをやればいいのは明白ですからね。VR特有の空間表現に対応していなくても、プレイ画面をVR空間内に浮かせることはできるので、昨年から地味に続けている『ドラゴンクエストX』(DQX)をプレイしてみることにしました。

なお本当は『FINAL FANTASY XI』(FF11)が良かったのですが、FF11はキーボードを併用する機会が多く、なにかと面倒なので断念。

で、無事DQXを遊びました。遊べました。VR空間内の大画面で遊べるのはなかなかの体験です。裸眼だと画面はボヤけて見えるものの、ぎりぎり文字も読めるし、どうにかなりそうです。Quest3は眼鏡をかけたままでも装着できますが、視力矯正のためにはならないので裸眼一択です。

Quest3上に、PCのデスクトップ画面として表示した状態のDQX。
もちろん立体的になるわけではなく、空間内のスクリーンに平面的に表示される。

ところでDQXはレベル上限解放があってまだ日が浅いため、ひたすら地味にレベルあげをするあまり楽しくない時期にあります。近頃は1プレイ1時間くらいで嫌になっちゃうので、長時間プレイは断念。

あまりゲームは向いてないかな? と思い、続いてはYouTubeで動画を観てみることに。ただ、長尺の動画に観たいものはあまりありません。社会問題を扱うような動画は長いものが多いのですが、VR空間の大画面では観たいような内容ではないですからね。

そんな感じに右往左往した末にたどり着いたのは、アニメでした。

ちょうど第2期放映中ということで第1期から全話無料配信中(Abema TV)の『推しの子』を観てみることにしたのです。これは内容的にもおもしろく、バッテリー切れになるまで2時間ほど続けて観られたので満足でした。

Quest3のブラウザからAbema TVを開き、『推しの子』を視聴。
ステージ上のシーンが多いのでVR向きかも(平面表示ですけどね)

復帰後のリアルはどう見える?

さて、『推しの子』の連続視聴を終えて現実世界へ戻ったとき、周囲の景色はどう見えるかというと……。

急に視力が回復してすべてがクッキリ見える!

な~んてことは、もちろんありません。

とはいえ、少し前の方に焦点を合わせるクセがついているのと、VRの少しボヤけた画面(注:ド近眼のせい)を観続けることに慣れていたせいで、現実でも裸眼のままでボヤけた世界を見ることに対する不安感が軽減していました。いえ、世界は最初からボヤけていたのです。

もちろんこれは、あくまで気持ちの問題です。でも普段ならピントが最適化される位置まで対象ににじり寄ってしまうところを、そうはせず、「別にボヤけたままで平気」という気分で距離を置くことができると姿勢が悪くならずに済むのでなかなか快適です。

ちなみに、裸眼のときにピントが最適になる距離は目の前15cmという至近距離です。裸眼のままスマホやPCで文字を読むのは不可能なので、本気作業をするときはすぐに眼鏡を取り戻すことになります。メガネメガネ……。そして、気付くといつの間にかピントが合っていない状態を許せなくなるため"VR効果"は消えてしまい、徐々に普段通りのド近眼生活が戻ってきます。

ただし、VR後でなくとも「ピントが合ってない状態を許せる」という気持ちを思い出しさえすれば、意識的に少し文字がぼやけた状態で本を読んだりすることは可能です。「VRで視力矯正」というよりは「VRで意識矯正」をくり返して「無理にピントを合わせない生活」に慣れていけば、猫より猫背になる機会を減らすなどして少しは快適な生活を取り戻せるかもしれないという予感がしなくもありません。

もうちょっと続けてみて、いずれ進展があればまたレポートできたらと思います!

(つづく)


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