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『花束を編む | making a bouquet』Laura day romance
「お花ってね、ひとの悲しみとか、寂しさとか、そういう心の暗がりを吸い取ってくれるから、枯れちゃうんだって」
美鈴はヘッドボードに寄りかかり、カーテンが閉じられた出窓に飾られているピンク色のチューリップをみながら、ゆっくりと呟いた。
陽は彼女の横顔を観ながらその小さな唇から発された言葉の意味と温度を正確に感じ取ろうと、呟きの後の静寂までをしっかりと聴きとり、
「優しいんだね」
と、チューリッ