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経営マニュアル~起業や事業を行うための基礎知識と考え方~⑦【基礎知識 第七章 販売価格】

50年以上生きてきてたくさんの失敗をした自分の実体験から感じた
経営マニュアル~起業や事業を行うための基礎知識と考え方~の
基礎知識 第七章 販売価格です。

【基礎知識 第七章 販売価格】

仕事をする上で物品を販売して利益を得るケースはかなり多いと思います。
物品販売を行うと必ず販売価格を決定することが必要となります。

では、販売価格は一体誰が幾らに決めているのでしょうか?
勿論、物を売る側が販売価格を決定しているのですが販売価格は売る側が決めてはいけないのです。
簡単にいうと、売る側の視点で販売価格を決めてはいけないということです。

販売価格の金額は買う人が決めるという基本を忘れてはいけません。
なぜならば、売る側には必ず売りたい価格という意図が存在するからです。
売りたい価格は必ずしも売れる価格ではないからです。
物販は売れて初めて利益を生み出します。
売れなければ一切利益は生まれません。
即ち、売れなければ仕事にならない、仕事ではないのです。
買う人が販売価格を見て安い!お得だ!ほしい!と思ってもらえなければお金を出してはくれません。
そのため販売価格の金額設定は買う人が決めるということ、すなわち買う人の視点で考えることが重要なのです。

販売価格設定の時にはマーケティングを行い、金額を設定することが大切です。

例を挙げて説明をして見ましょう。
例えばパンを作って販売するとします。
この場合の条件は、近隣に売れているパン屋がありそこの一番人気のパンと同等のパンが作れること、そしてそのお店よりパンを安く販売できることが前提です。
ではパンの販売価格の決め方には、通常2通りの方法があります。

一つ目の方法はパンの原価を計算し、次に経費を算出して幾らの利益を取るかを決めてその合計がパンの販売価格となる方法です。
売れている近隣のパン屋さんはこの方法でパンの販売価格を決めています。
このような販売価格の決め方を足し算方式といいます。

二つ目の方法はパンがいくらで販売できれば近隣の売れているパン屋さんより自分たちのパンを買ってくれるかマーケティング調査し、販売価格を決める方法です。
この方法では販売価格を一番先に決めてから原価を引き次に経費を引きます。すると自動的に利益の金額が算出されるという方法なのです。

一つ目の方法は足し算方式ですが、後者は引き算方式なのです。
しかし、引き算方式にはデメリットがあり、希望する利益の金額を得られるとは限らないということです。
希望の利益金額を達成するためには原価と経費のコストダウンが必要となります。
この努力が出来て希望の利益金額を確保出来たなら、そのパンは他店より必ず売れることになるのです。

引き算方式にはデメリットとは反対に一つ大きなメリットがあるのです。
それは値引き競争に強く、不良在庫が出なくなるというメリットです。
物販業界では、類似商品が後から必ず多く販売され必ずといってもいい程価格競争が発生します。
引き算方式で決めた販売価格は足し算方式より必ず安い価格となっているため当然のように価格競争にも勝っていけるのです。

すると足し算方式のA社は利益を削り新価格で販売をします。
引き算方式のB社も値引きをするので最後には足し算方式は利益を出せなくなり販売することが出来なくなるのです。

※図1

よって図1のようにA社のAパンは販売終了となりB社のBパンは利益は当初の半分となりましたが販売継続ができ近隣との価格競争に勝ち引き算方式を採用したB社が勝ち残ることとなるのです。
そして作ったパンは売れ残ることはありません。
そのため不良在庫時は発生しなくなるのです。

A社の作ったAパンが100個売れ残ってしまった場合、売れないので廃棄するか、価格競争の影響から赤字で売るしかないのです。
A社は廃棄するにせよ、赤字の50円で販売するにせよ結果、最後に今までの利益までも削ってしまうことになるのです。

このことから、販売価格はあらゆる面においても買い手の視点から引き算方法を用いマーケティング後に決定することが大切なのです。
この方法を使用して販売価格を決定している会社があります。
みなさんも知っているアイリスオーヤマがその会社です。
アイリスオーヤマの商品って価格も安いしいいものが多くないですか?
そして会社の業績も年々上がっていっているのです。

基礎知識と考え方だけでもかなり長くなりますが、なるべく各章ごとに短くわかりやすく解説していこうと思っております。
この経営マニュアルがみなさまの何かのお役に立てばうれしいです。
では、目次を掲載しますので記事は順次掲載していきます。
掲載しましたら目次のタイトルにリンクをしますのでお時間ある方、ご興味のある方はご覧ください。

目次
基礎知識 第八章 利益の種類

よろしくお願いいたします。


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