フェイクニュースに騙されないために:『情報戦争を生き抜く』津田大介
ネガティブなニュースに疲れていませんか?
SNSを開けば、さまざまな意見が飛び交い、いったい何が本当なのか分からなくなることも多い毎日。
そんなぼくたちに、津田大介さんの『情報戦争を生き抜く 武器としてのメディアリテラシー』は、今の時代に知っておくべきことを教えてくれます。
現代の情報戦争と、ぼくたちがどうすればこの状況を乗り越えられるのかを、わかりやすく解説しています。
本書は、週刊朝日での連載をまとめたもの。
今回は、本書から学んだ3つの視点を通して、この本の魅力を皆さんにお伝えしたいと思います。
多くの人は見出ししか読まない
本書では、興味深い調査結果が紹介されています。
人々がニュース記事をどのように読んでいるかという調査で、記事のタイトルだけを見て内容を判断し、シェアする人のほうが、元記事まで読んでシェアする人よりも多いということが明らかになりました。
・リンク先の記事に飛んで内容確認している人の割合は「41%」
・のこりの「59%」は、記事のタイトルだけで内容を推測しシェア
これは、現代のスマホ社会において、おおくの人が斜め読みをする傾向にあることを示しています。
感情に訴えかけるような見出しやキャッチーな言葉は、人々の心を捉えやすく、結果的にフェイクニュースが拡散されやすくなってしまうのです。
またSNSでは、発信した人よりも紹介した人のほうが情報の信頼度を決めるという側面もあります。
そして、一度拡散された情報は、たとえそれがフェイクニュースであっても、止めることが難しく、世論操作の格好の舞台になってしまう可能性があるのです。
ソーシャルメディアの影響力
著者は、「情報戦争の本質は、ソーシャルメディアの影響力がマスメディアを超えつつあることで、事実が軽視され、感情が優位になっていること」と指摘しています。
従来のマスメディアは、お金をかけて取材を行い、正確な情報を提供してきました。
しかし、ソーシャルメディアでは、誰でも気軽に情報発信できるため、不確かな情報が拡散されやすくなっています。
とくに、Twitterは「活字中毒の人には夢のようなツール」と表現されるように、次々と情報が流れてくるため、人々は深掘りせずに情報を受け入れてしまう傾向があります。
建設的ジャーナリズム:5つの問い
見出ししか読まない読者と、ソーシャルメディアの影響力の増大により、既存のメディアも、刺激的でショッキングで、ネガティブなニュースのほうがもてはやされるようになります。
しかし本書では、それに対する戒めとして、デンマーク人ジャーナリスト・ハーゲルップの提唱する「建設的ジャーナリズム」が紹介されています。
これは、現状を報道するだけでなく、解決策を模索しながら「建設的に」報道するという考え方です。
建設的な報道をするためには、以下の5つの問いを意識することが大切であると、ハーゲルップは語ります。
・そのことで独自の(特別の)発想はどこにあるのか?
・何が解決になり得るか?
・ほかの人はその問題にどう関わってきたか?
・我々はそこからなにが学べるか?
・もしも違う風であることが可能なら、なぜ我々にそれができないのか?
津田さんは、建設的ジャーナリズムの良い例のひとつとして、「「ネット右翼でした」 沖縄に暮らし、記者になって思うこと」を挙げていました。
まとめ
『情報戦争を生き抜く』は、現代の情報戦争の現状を深く掘り下げ、ぼくたちがどうすればこの状況を乗り越えられるのかを、具体的な事例を交えて解説しています。
GoogleやFacebook、Twitterのようなプラットフォーム事業者の影響力は、もはやマスメディアに匹敵するほど大きなもの。
ぼくたちが日々接する情報は、必ずしも客観的なものではなく、誰かの意図によって操作されている可能性があることを認識しておく必要があります。
この本を読むことでぼくたちは、より深く思考し、情報を読み解く力を身につけることができるはず。
そして、これからの社会を生きていく上で、メディアリテラシーの重要性を改めて認識できます。
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