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ひろゆき『プログラマーは世界をどう見ているのか』レビュー

一言でいうと、珍しい本です。

いままでのひろゆきさんの本は、「生き方」といった大きなテーマについて書かれていましたが、今回は「プログラマーの思考法」と、より小さなテーマに絞られています。

その思考法を、初歩的なプログラミング(HTMLとJavaScript)を実際にコードを書きながら、学んでいくという本でした。

現役のプログラマー、エンジニアの方には新しい発見は少ないですが、プログラミングが気になっている文系の学生や、最近プログラミングを学び始めた人にオススメです。

そして、新しい趣味を見つけたい社会人の人や、一般教養としてプログラマーの考え方を身につけ、世界の見方をアップデートしたい人にピッタリ。

本書はプログラマー入門書で、プログラミング未経者を対象とし、事例をもとにHTMLとJavaScriptを実際に書くことで、プログラマー思考を体験することができます。

原始的とはいえ、メモ帳とブラウザだけでWebサービスを作ることができる優しい設計。

コードを手打ちしながらでも、だいたい4時間くらいで読破することができます。

本の中で紹介されているサンプルコードは、無料でダウンロードも可能。

もしも手打ちしたコードの間違いがわからない場合、そのサンプルコードと比較することで、簡単に間違いに気づくこともできます。

本書のおもしろさは、初歩的なプログラミングを通じて身に付くプログラマー思考について踏み込んでいる点。

プログラマー思考を身につけると、普段の生活で見聞きすることへの考え方が、実際にどのように変わるのかについても書かれています。

著者のひろゆきさんは、掲示板2ちゃんねるの開設者で、現在フランスに住んでいます。

YouTube動画が有名で、すでにご存知の方も多いかもしれません。

意外なことに、ひろゆきさんは理系出身ではなく、文系の出身です。

卒業大学は中央大学で、学部は文学部。

学科は教育学科で、心理学のコースを卒業しています。(現:人文社会学科心理学専攻)。

中央大学を選んだ理由は、

最小限の労力で乗り切るため

1%の努力』エピソード2「壺に何を入れるか――『優先順位の話』」

と言い、

受験勉強をしたくないから、用語集の一番薄い政治経済を選び、自分の学力で受かる大学を受けた。受験はマークシート式で、最小限の労力で乗り切った。決して東大を目指すようなことはせず、『大卒』のカードだけを持っておこうと思った。僕はそうやって生き残ってきたタイプだ。大学に入っても、学問を修めるという意識はなく、最短で単位を取りながらダラダラと過ごすモラトリアム生活を満喫した。

1%の努力』エピソード2「壺に何を入れるか――『優先順位の話』」

と述べ、当時から、ひろゆきさんはひろゆきさんなんだと思いました。

心理学を選んだ理由は、人の心を扱い、参考書を読んだだけではマスターできないと考えたからとのこと。

しかし実際は、大学の授業を受けると、授業でも参考書を読むだけだったため、期待外れだったそうです。

そんな彼がプログラミングに初めて接したのは、小学生のときに家庭用PCを買ってもらったとき。

そして、ウェブ制作でお金を稼ぎはじめ、2ちゃんねるを開設したのは大学生の頃。

本書からは「プログラミングの敷居は決して高くなく、プログラミングはどんな人でもできる」というメッセージをつよく感じ、それは、ひろゆきさん自身が文系出身でありながら、日本最大の掲示板を作り上げたことが証明しています。

もちろんプログラマーにならなくとも、本書をつうじて、実生活で活用できるプログラマー思考を身につけることで、人生をすこしだけ楽にすることができます。


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