「わからない」ままでOK:『観察力の鍛え方』レビュー
みなさん、こんにちは。
毎日、当たり前のように目にうつりこんでくる風景や人々。
でも、それらを本当に「見ている」と自信を持って言えるのでしょうか?
ぼくは最近、『観察力の鍛え方』という本を読みました。
マンガ「宇宙兄弟」や「ドラゴン桜」の編集者である佐渡島庸平さんが書いた本。
一流のクリエイターが実践する「観察力」の鍛え方を教えてくれる一冊です。
今回は、本書から3つの学びまとめます。
「いい観察」ってなんだろう?
大前提として、質の高いアウトプットをするためには、質の高いインプットが必要です。
そして、質の高いインプットを行うためには、「観察力」がとても重要な要素。
本の中で、著者は「いい観察」とは何かを説明しています。
それは、ある人が物事に対して仮説を持ち、客観的に物事を見て、仮説と実際の状況のズレに気づき、「仮説自体を更新」することだそうです。
一方で「悪い観察」とは、仮説と実際の状況に違いがないと思い込み、理解したつもりになり、「仮説の更新をしなくなる」こと。
まとめると、仮説自体をアップデートしていくのが、いい観察といえます。
そして、そもそも観察は「仮説がないと始まらない」ともいえます。
観察を阻害する3つのメガネ
この本では、観察を阻害する3つの要因を「メガネ」にたとえて述べられています。
1つ目は「認知バイアス」。
人は無意識のうちに、物事を歪んで見てしまう癖があります。
2つ目は「身体と感情」です。
疲れていたり、イライラしていると、冷静に物事を見ることができません。
3つ目は「コンテクスト」です。
状況によって、同じ物事でも見え方が変わってしまうことがあります。
これらのメガネを意識的に外し、またはつけかえることによって、客観的な視点で物事を捉えることが大切だと、著者は説いています。
わからない状態に身を置きつづける
本書のなかで印象的だったのは、「わからない」ということの重要性。
「わかった」と思ってしまうと、そこで思考が止まってしまいます。
一方で、「わからない」状態に置き続けることで、常に疑問を持ち続け、考え続けることができるのです。
そして、思考のスタートとして、著者が勧めているのは、思索をはじめるときに「辞書を引く」こと。
また、「型」を理解し、物事の意味を正確に知るうえで「真似」をすることは、効果的だと述べています。
これらをつうじて「わからない」→「知る」→「わからない」のループを生み出すことができます。
まとめ
以上が、『観察力の鍛え方』の内容のおおまかな解説でした。
「観察力」は、日常生活だけでなく、仕事や勉強などあらゆる場面で役立つ力。
ふだん見ているものをただ見るのではなく、「観察」をとおしてインプットの質を高めることで、結果的にアウトプットの質の向上につながると教えてくれます。
この本を読むことで、物事を客観的に捉え、常に疑問を持ち続ける大切さを学ぶことができます。
観察力を磨くことで、きっと新しい発見があるはず。
本書を参考に、ぜひ観察力を鍛えてみてはいかがでしょうか?
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