アウトプットの質をたかめる武器庫のような本『外資系コンサルの知的生産術』
「外資系コンサルの知的生産術」は、山口周さんによって書かれた本です。
この本は、情報収集、思考整理、アウトプットなど、知的生産に必要なスキルを体系的に学べる一冊。
外資系コンサルタントとして活躍した著者の経験をもとに、「知的生産の流儀」と呼べる独自のノウハウを本書で紹介。
AI時代を生き抜くためには、単なる知識量よりも、情報を活用して新しい価値を生み出す力が求められます。
本書は、まさに知的生産を飛躍的に向上させ、人生を豊かにするための必読書と言えるでしょう。
とにかく「紙」に書き出す
思考を深めるためには、情報を整理することが重要。
本書では、情報を整理するために「紙」を使うことを推奨しています。
まずは紙にペンを使って、情報や思考、何でも書き出してみましょう。
頭の中だけで考えるのではなく、情報を書き出すことで、客観的に分析できます。
とくに「問い」に関しては、紙に書き出すだけで、質を大幅に高められます。
情報や思考を「紙に書き出す」という習慣を身につけることで、知的生産の質が向上するでしょう。
また、「考える」と「悩む」の境目は、手が動かなくなり、言葉が生まれなくなること、という指摘がおもしろかったです。
1時間以上そうなったら、別の方策(問いの立て方や情報の使い方)を考える必要アリ。
著者は、長く考えるよりも、せいぜい5分程度の思考を、時間と場所を変えて繰り返す方法をオススメしています。
視点・視野・視座を変える
視点・視野・視座は、知的生産において重要な役割を果たします。
視点とは、対象に着目するポイント。視野とは、対象を捉える範囲。視座とは、対象を捉える立場です。
これらの3つを変えることで、新たな発見を得ることができます。
たとえば、問題解決を考える際には、複数の視点から検討することで、より良い解決策が見つかる可能性があります。
また、広い視野を持つことで、問題の本質を見抜くことができます。
さらに、高い視座を持つことで、独創的なアイデアを生み出すことができます。
本書では、視点・視野・視座を変えるための具体的な方法を紹介しています。
とくに興味深かったのが、視座は高ければ高いほど良いというもの。
革命家のように、この世界をどのように良くしていくか?という視座が、独創性をうみだします。
この視座の高さは、オードリー・タンさんの本を読んだときに感じたものでもあります。
決断力を高める
決断力は、知的生産を進める上で不可欠な要素。
情報収集や思考整理をすすめていくと、さまざまな意見に出くわします。
その中で、自分の意見を明確にすることがなによりも重要。
ポイントは、最初から情報が不足していてもポジションを取ることです。
決断力とは要するに、ポジションを取れるかどうかということで、ポジションを取るとは、賛成・反対などの立場を明確化させることです。
自分の立場を明確にすれば、正しさを証明するために努力できます。
ポジションを取ると、反対の意見の人と摩擦が生まれますが、それを恐れてはいけません。
まとめ
「外資系コンサルの知的生産術」は、知的生産に必要なスキルを網羅した一冊。
本書を実践することで、情報収集、思考整理、アウトプットの能力を向上させ、仕事や勉強の効率をあげることができます。
また、視点・視野・視座を変えることで、新たな発見を得ることも可能。
さらに、決断力を鍛えることで、自分の意見を明確にできます。
ぼくは本書を読んで、知的生産の重要性をあらためて認識しました。
本書は、情報化社会を生き抜くための必須スキルを学べる、まさに必読書と言えるでしょう。