はい、目からウ・ロ・コ:『生きのびるための事務』坂口恭平
やっぱりサイコーだよ、坂口恭平さん!
現代社会において「事務」というと、どこか堅苦しくて、面倒な作業というイメージを抱きがち。
しかし、作家・坂口恭平さんの『生きのびるための事務』では、「事務」を単なる作業ではなく、夢を叶えるための武器として捉え直し、その重要性を説いています。
本書では、主人公である坂口さんが、不思議な「ジム君」と出会い、「事務」というシンプルなツールを活用することで、夢を叶えていく過程が描かれています。
今回は、本書から学んだ3つの視点をご紹介します。
事務=生活の知恵と技術
ジム君は、事務とは「何を書きたいのかを必死に探すのではなく、書きたいと思ったことを書きたい時に書きたいだけ書く。」と教えます。
これは、「行動こそ力なり」というメッセージであり、完璧主義を捨て、まず行動に移すことの大切さを説いています。
本書では、円グラフを用いた理想の時間の使い方や、1か月に必要なお金、10年後の収入を具体的に書き出すなど、誰でもすぐに始められる生活の知恵と技術が紹介されています。
一見、事務作業とはかけ離れているように思えますが、これらの要素を組み合わせることで、夢を達成するための具体的な行動計画を立てることができるのです。
芸術家の事務的側面
一般的に、芸術家は感性やひらめきによって作品を生み出すイメージがありますが、彼らも「事務」を巧みに活用していたことが紹介されています。
たとえば、ピカソは「生きるためではなく、作りたい作品を作り続けるためにも成功が必要だ」と語っています。
彼は、バラ色の時代という商業的に成功した時期の収入を基盤に、その後、キュビズムなどの革新的な作品に挑戦することができたのです。
草間彌生さんも、自身の作品を管理するために一般財団法人や非営利法人を設立し、税務対策を行うなど、事務的な側面をしっかりとこなしています。
また、マルセル・デュシャンは、自身の作品よりもブランクーシの彫刻の画商として成功することで、経済的な基盤を築いていました。
(『デュシャンは語る』にてお金については、親からの遺産があったことや、アメリカでもらっている年金についてしか描かれていなかったように記憶しており、画商をしていたとは驚かされました。)
このように、芸術家にとっても「事務」は、創作活動を支える重要な要素と言えるでしょう。
会社を作ることは、事務の中でも至高
本書では、「天下一の芸術家たちはみんな会社社長ですよ」という興味深い指摘があります。
レンブラントやルーベンスといった巨匠は、工房を経営し、弟子たちを指導しながら作品を生み出していました。
彼らは、作品制作だけでなく、経営やマーケティング、顧客とのやり取りなど、さまざまな「事務」をこなすことで、名声と富を手にしています。
アンディ・ウォーホルやジェフ・クーンズも、法人を作って工房を運営し、作品制作を行っています。
このように、芸術家にとって「会社を作る」ことは、単なる組織化ではなく、創作活動を持続させ、発展させるための戦略と言えるでしょう。
また、初版の印税を0円にするという契約でも、まず初版の印税代100万円を振り込んでもらい、100万円を返済することで(経費として計上)、帳簿上に売上金100万円を作る、というテクニックも紹介されています。
まとめ
『生きのびるための事務』は、単なるハウツー本ではなく、人生を豊かにするための哲学書と言えるでしょう。
本書で紹介されている「事務」の考え方を実践することで、夢を叶えるための具体的な行動計画を立て、人生をより主体的に生きることができるようになるはず。
嬉しいことは楽しい。楽しいことは続けたくなる。続けるうちに、継続それ自体が才能になる。そして、どうせ最後はとんでもなくうまくいく
本書に書かれているこの言葉は、読者に勇気と希望を与えてくれます。
この本を読んで、あなたも「生きのびるための事務」を実践してみませんか?
noteでも無料で読むことができるので、ぜひ読んでみてください!
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