観光客になることで自分の殻をやぶる!?『弱いつながり』東浩紀
東浩紀さんの『弱いつながり 検索ワードを探す旅』を読了。
現代社会における情報過多と、それに伴う思考の固定化という問題に対して、新たな視点を与えてくれる一冊でした。
著者は、インターネットが強い絆を強化する一方で、弱い絆を育むことを阻害していると指摘。
SNSや検索エンジンによって、ぼくたちは自分の興味関心に合った情報ばかりに囲まれ、新たな発見や出会いの機会を狭めてしまっているのです。
本書では、そんな状況を打破するために、「旅」という行為がいかに重要であるかが力説されています。
旅をとおして、ぼくたちは異なる文化や価値観に触れ、固定観念を打ち破り、新たなアイデアを生み出すことができるのです。
今回は、本書から得た3つの重要な視点について、ご紹介します。
自分を変えたいなら環境を変えよう
著者は、ぼくたち人間は環境によって大きく影響をうけると主張。
つまり、自分の置かれている環境を変えることで、思考パターンや行動様式も変化させることができるということです。
たとえば、東大に入りたいのであれば、東大への現役合格者が多い高校に通うことが近道。
その環境にいることで、自然と勉強する習慣が身につき、合格に必要な情報やノウハウを得やすくなるでしょう。
これは、ぼくたちが普段何気なく使っているインターネットにも当てはまります。
インターネットは、ぼくたちの生活を便利にする一方で、思考を固定化してしまう危険性も孕んでいます。
SNSでは、自分と似た価値観を持つ人たちとのつながりが深まりやすく、異なる意見に触れる機会が少なくなりがち。
またGoogleは、ぼくたちの過去の検索履歴や興味関心にもとづいて、最適な検索結果を表示するという便利な反面、ぼくたちの思考をある程度「限定」しています。
著者は、この状況を打破するために、あなたがググるであろう「検索ワード」を「意図的に裏切る」ことを提唱しています。
そのための方法が、旅に出ることです。
旅へ出かけよう
著者は、本全体をつうじて「旅」の重要性を強調。
旅をすることで、普段とは異なるキーワードで検索するようになります。
たとえば、インドに旅行に行く際には「予防接種」など、いままで検索したことのないワードがでてくるはず。
ぼくたちは異なる文化や価値観に触れることで、固定観念を打ち破り、新たな発見や新たなアイデアを生み出すことができるのです。
とくに、著者は旅のなかの「移動時間」を重視しています。
移動中に、ぼくたちは外界から遮断され、自分自身と向き合うことができます。
この時間こそが、新たな思考、新たな欲望、新たな質問、そして、あらたな「検索ワード」を生み出すための絶好の機会なのです。
観光客という存在
著者は、ぼくたちを「村人型」「旅人型」「観光型」の3つのタイプに分類します。
村人型: 1つの共同体に属し、既存の人間関係を大切にするタイプ。
旅人型: 1つの場所に留まらず、常に新しい場所を求めて移動するタイプ。
観光型: 村人と旅人の中間。旅先で、表層的にだが現地の文化に触れ、偶然の出会いや予想外の出来事を積極的に受け入れるタイプ。
著者は、とくに「観光型」の人間に注目します。
観光客は、旅先でさまざまな情報や刺激を受け、それらを自分の中に取り込むことで、自己変革を促すことができるのです。
たとえば、アウシュビッツのような歴史的な場所を訪れることは、たとえその歴史を表層的にしか知らないとしても、ぼくたちに深い衝撃を与え、人生観を変えるきっかけとなるかもしれません。(著者は、地縛霊のものを感じたと、そのインパクトを語っています)
まとめ
『弱いつながり 検索ワードを探す旅』は、現代社会における情報過多と、それに伴う思考の固定化という問題に対して、新たな視点を与えてくれる一冊。
著者は、「旅」という行為が、ぼくたちの思考を柔軟にし、新たな可能性を開く鍵になると説きます。
本書で紹介されている「観光型」の人間になるためには、普段の生活の中で、積極的に旅をとりいれ、異なる価値観に触れることが大切です。
この行動が、やがて大きな変化をもたらすかもしれません。
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