ヒット作を生み出すための3つの視点:「ゲームプロデューサーの仕事術」を再読
1ヶ月ほど前に紹介した『ゲームプロデューサーの仕事術』。
この本は、ヒット作を生み出すためのノウハウが詰まった、クリエイターにとって参考になる一冊です。
前回の記事では、「ヒットのための3条件」「作り手の熱狂」「テーマはモチーフと+α」という3つのポイントに絞って紹介しました。
今回は、再読をとおして新たに発見した3つの視点に焦点を当て、より深く掘り下げていきます。
1. インプットを厳選する:良質なアウトプットの源泉
クリエイターにとって、良質なアウトプットを生み出すためには、質の高いインプットが不可欠です。
著者は、良質なインプットを導く秘訣として、以下の3つを挙げています。
1: 人と会うこと
人との出会いは、かけがえのない刺激となり、新たな視点やアイデアをもたらしてくれます。
とくに、話していると少し緊張したり、良い意味でのストレスを感じたりする人との交流は、創造性を高める効果があるようです。
著者は、人と会うことこそが、インプットのなかで最重要であると語ります。
それは、そもそもゲーム制作が1人ではできないからです。
2: 本を読むこと
良質な小説を読むことは、想像力をゆたかにし、思考の幅を広げるのに役だちます。
自分で考えながら読み進めることで、より深い学びを得ることが可能。
いっぽうで、自己啓発本は他人の考え方を押しつけられるような内容が多く、良いインプットにはならないと、著者は警鐘を鳴らしています。
著者いわく、1冊の本を読むことで、人に1時間あって話を聞くぐらいの効果があるかもしれないとのこと。
(つまり、1冊の本を読むのに3時間かかるなら、人にあったほうがコスパがいいことになります)
3: 旅に出ること
とくに遠方への旅は、非日常的な体験をとおして視野をひろげ、固定観念を打破するのに効果的です。
旅先で出会う人や、ことなる文化との触れ合いは、想像を超えるインスピレーションを与えてくれるでしょう。
これらのインプットを単に数をこなすのではなく、一つ一つを深く思考し、自分自身の糧にすることが重要です。
2. 拡散力を高めるための「ツッコミどころ」
ゲームのプロモーションにおいて、著者がもっとも重視しているのが「ツッコミどころ」です。
これは、ターゲット層の興味を引くためのフックであり、拡散力を高めるための重要な要素となります。
具体的には、キャラクター紹介や人気投票、リツイート(リポスト)キャンペーンなどを活用し、ユーザーが思わずツッコミを入れたくなるような仕掛けを用意することで、話題性を高め、拡散を促します。
人は誰しも、自分が面白いと感じたことを、ほかの人と共有したいという欲求を持っています。
ツッコミどころを提供することで、ユーザーはその欲求を満たし、積極的に情報を拡散していくのです。
3. ナンバーワンを取るためのオリジナリティ:0から1を生み出す力
オリジナリティとは、誰も思いつかなかったような斬新なアイデアを生み出す力。
ゲーム業界において、オリジナリティはヒット作を生み出すための必須条件となります。
というのも、ナンバーワンになるタイトルは、オリジナルなものが多いからです。
既存のゲームのシリーズものや、似たようなゲームをつくるのではなく、たとえ市場規模が小さくても、独自のマーケットを作り出すことが重要です。
そのためには、世界設定やキャラクターデザイン、音楽、シナリオ、ゲームシステムなど、すべてにおいてゼロから制作。
個人的に、読んでいて気を引き締められたのは、ヒットを狙うためには「ナンバーワンから逆算して考える」必要がある、と著者が述べていたこと。
つまり、必要であれば会社の外から人材や資金を集める、といった、自分の枠内で考えずに、とれる手段を模索するということです。
また、オリジナルをつくるために試行錯誤を繰り返し、失敗から学び、改善していく過程こそが、個人の成長にとって大きな糧になります。
まとめ
『ゲームプロデューサーの仕事術』は、ゲーム業界を目指す人だけでなく、あらゆる分野で創造性を発揮したい人にとって、とても示唆に富んだ一冊。
今回紹介した3つの視点に加え、本書にはゲーム開発に関するさまざまなノウハウが詰まっています。
ぜひヒット作を生み出すためのヒントをたくさん見つけてみてください。
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