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レビュー『起業の着眼点』
経済的な独立をもとめる人があこがれる起業。
ですが、起業は失敗例も数多いのが実情です。
創業と起業を何十と繰り返してきた著者が、失敗を回避し、起業を成功に導くための50のアドバイスをまとめたのが『起業の着眼点』。
起業するにはなにが必要なのかということをわかりやすく教えてくれる本です。
これから起業を考えている学生や社会人の人におすすめで、まだ実際に起業しなくても、起業するためのマインドを学ぶことができるので、起業準備にも使えます。
新しいスキマを見つける
起業を成功させるのに一番重要なのは、努力以上に、「お金の儲かる仕事」を見つけること。
時代はどんどんとうつり変わるため、いままでスキマのなかったところに、新たなスキマが生まれます。
そのスキマを意識的に探しあてた人か、たまたま運よく、そのスキマのそばにいた人が次の成功者の仲間入りをすることができます。
新しいスキマをみつけるために、「社会の変化」を見極める力が重要だと思いました。
3年でビジネスを形にする
著者の体験では、3年という区切りは信ぴょう性がたかく、3年でビジネスの形になっていなければ、やめたほうがいいと言います。
1、2年目がダメでも、3年目の結果でビジネスの失敗成功の判断をするというのは勉強になりました。
起業だけではなく、語学学習や、学問、創作でも、3年というのは一つの区切りとして使えそうです。
見聞をひろめる
全国の講演会にまわる著者は、あることに気がつきます。
それは、地元出身者がその地域の経済のトップを務めているところは、経済に元気がないということ。
大きな成功をおさめている地域では、必ず「若くて、外部から来た」人が会社のトップを務めているそう。
それはなぜかというと、地元出身者がおなじ景色を見続けている中で、外部の人の目には、いままで見ていた景色とは違った景色をうつり、その地域をまっさらな状態で見ることができているから。
ゆえに著者は、地元で起業することを戒めており、東京出身の人は地方で、地方出身の人は都市での起業をすすめています。
また、海外旅行も見聞をひろめるのに有効で、海外では、自分が起業したい業界はどうなっているのかを知ることはとても重要だと語られます。
この記述を読み、ここ5年は海外へ足を運んでいないので、そろそろ海外へ足を伸ばさなければと思いました。
著者紹介
著者の邱永漢さんは1924年に台湾で生まれ、1945年東京大学の経済学部卒業。
小説『香港』にて第34回直木賞受賞して以来、作家・経済評論家・経営コンサルタントとして幅広く活動された方です。
ご自身で起業にも携わり、大きく成功されている方なので、成功者としての独自のポイントをおりまぜて語られており、説得力があります。
語りかけるように書かれてあるのでスラスラ読むことができました。
本書を読んだから起業して上手くいくわけではありませんが、「起業マインド」をはぐくむ手助けにはなり、起業する前に一度読んでみるのもいいと思います。
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