#3 谷川嘉浩『信仰と想像力の哲学:ジョン・デューイとアメリカ哲学の系譜』(勁草書房)の帯コピーと世界最速読書会の話

こんにちは、京都で専門職として哲学をやっている谷川といいます。

1.内容について

学位論文(博士論文)をもとにした書籍、『信仰と想像力の哲学:ジョン・デューイとアメリカ哲学の系譜』(勁草書房)が刊行されます。2021年2月19日発売です。

本書について紹介するマガジンを書いていますので、ぜひぜひご覧ください。

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2.帯コピーにはどんな含みがあるか

帯に使われているコピーは以下の通り。

アメリカを考えることは、「私たち」を考えることだ。デューイという「集合知」を通して、アメリカ知識人たちの社会批評をたどる。

よく「アメリカ的生活様式」「アメリカ化」「西洋化」などと言われたりしますよね。そういう西洋的、アメリカ的なものに飽き飽きしている人や、海外旅行や留学で「日本」に目覚めてしまった人は、急にお茶とか寺と言い始めて、「日本らしさ」について考え始めたりします。

しかし、「世界がアメリカ化している」などと言われ始めてから、軽く見積もってもう100年以上経っています(本書でもその種の言説を拾っているので、ぜひ本を見てみてください)。

だから、日本の中にある「西洋的やな」「アメリカ的やな」と思う要素は、私たちの日常の風景の一部だし、日本の風土や文化から截然と切り離せるようなものではないし、一種の「伝統」として既に私たちの血肉になっていると考えた方がいいのではないかと私は思います。

そういうわけで「アメリカを考えることは、『私たち』を考えることだ」と書きました。

アメリカ社会は、アメリカで起こりつつあった変化、つまり、消費社会化、大衆社会化といった現象に好意的だったでしょうか。

まぁ、普通にそんなわけないんですよね。色々な考えの人がいました。本書で扱ったのは、大衆消費社会に対する知的言説を積み上げてきたアメリカの知識人たちです。彼らの知的系譜をたどりなおすことで、日本の今が照らし出されるところがあると私は考えています。

ちなみに、「アメリカを考えることは、『私たち』を考えることだ」という言葉は、ダブルミーニングになっています。アメリカを考える上で、「私たち(=共同性)」について考えないわけにはいかないよね、という意味合いです。

小規模で閉じられていた共同体から、人・物・情報が膨大にやりとりされる巨大な「社会」が到来するという変動を前にして、アメリカの知識人たちは共同性のあり方を再定義しなければならないと実感しました。本書が扱うのは、そうしたミッションを掲げている社会批評や哲学であるということもあり、上のようなコピーになりました。


3.二週連続の読書会!フェスきた!これで勝つる!

友人たちが本書の発売に合わせて色々なイベントを催してくれています。開催順に書きますね。いずれも聴き専歓迎です。

3/13に行われる読書会のための事前読書する会が、2月23日に開催されます。読書会集団?の関西クラスタ主宰で、Clubhouseにて開催。

Clubhouseやってたらぜひ~~

そして、やばやばすぎる、刊行最速にして二週連続の読書会が開催決定~~!!!

まずは、札幌で開催されいている「月末読書会」。3/7(日)の13時からオンライン開催です。

参加方法はこんな感じです。

もう一つは、関西クラスタが開催する読書会。3/13日(日)14時からオンラインにて開かれます。

そんな感じで、刊行前から決まった『信仰と想像力の哲学』フェス、聴き専でもオーケーなので、ぼちぼち関心を持ってもらえるとうれしいです。

ちなみに、前回は表紙絵とカバーデザインについて書きました。こちらもご覧あれ。

ちなみにを重ねて蛇足をすると、Podcastをやっています。こちらでは、書籍紹介はもちろん、他の話題についてもぼちぼち話しています。併せてどうぞ。

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