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大人って楽しい?と中学生に質問されたので ー消費だけでなく生産も

大人って楽しい?
まぁそりゃ、昔に比べりゃお金もある。だから学生時代のように安くてデカくて甘いパンだけでなく、チーズとスモークサーモンを挟んだベーグルだって買うことができる。
着飾って車を借りて遊びに行くこともできる。だから、今は自転車に二人乗りで河川敷を走ったりはしない。お金が貯まれば、なんなら知らない国に旅行に行ったりもするわけだ。

ただ友人は減ったかなぁ。中学生時代に「こいつは一生の友人」なんて思った奴とは、卒業以来一切の連絡を取っていない。非情な奴だって?僕の知る限り、僕みたいな大人は相当いるよ。挙句大人になって友達がいないって嘆くやつも数多いる。進学や就職、転勤・転職って実はそういうことだったりもする。

大人って、お金はあるけどなんだか楽しくなさそうね。
そんなもんかもしれないね。お金持ちって言われてる人でも、お金に心を囚われている人もいるわけで。

そういえば仕事は好き?
心の底から好きって言えるかはわからないけど・・・。だって、そんなに自分に厳しくないし、基本は家でゴロゴロ寝てたいからね。世の中には働くことが好きで好きでたまらない人がいるけど、そんな奴は天才か頭がぶっ飛んでるかのどっちかだと個人的には思う。そうそう、実は大人も恐ろしくサボるよ。学校であんなに「サボるな!」と言われていたのが嘘みたいに仕事をサボる。

でも、仕事、そんなに嫌いでもないよ。
だから、大人って案外悪くないし、思ったよりも楽しいのかな。

子どもはもしかすると、何らかの商品やサービスを消費する他ない存在なのかもしれない。消費する他ないをもう少し簡単に言うと、何かを「もらう」場面が圧倒的に多いということだ。例えば、誰かが用意してくれた食事をもらう。先生が準備した授業をもらう。
ただ、これは子どもが悪いのでは全くなくて、子どもには子どもとしての仕事がある。つまり、もらった何かをパワーに変えて、勉強や遊びに打ち込んだりするのが子どもの仕事。

じゃあ、大人の仕事って?
それは何かを「作って、あげる」ことなのかなと個人的には思う。ケーキを作って、あげる。道路を作って、あげる。ルールを作って、あげる。世の中の仕事は大抵、作ることとあげることでできている。そんな「作って、あげる」を「もらう」時に概ねお金が必要ということになっているわけだ。

そんなふうに何か商品やサービスを作って、あげる。仕事では、そうした営みを生産と呼ぶ。だから、大人には消費だけでなく、生産の喜びもある。

僕が割と大人って楽しいかなと思うのは、仕事の中にはこうした生産の喜びがあるから。何かを生み出そうとするのが生産なのかもしれない。そしてそんな自分が生産した仕事で誰かが喜んでくれたり、満足してくれること。これはお金を使って贅沢なベーグルサンドを買うことよりも、高い服を買っておしゃれに着飾るよりも、とっても楽しいことだ。

そういえば、最近、クリエイティブって言葉が流行りだね。英語で書くとcreative。これはcreate:作るという単語から派生した単語。クリエイティブを時折「効率よくいかに働くか」なんて考えてる人もいるけど、そんな奴はクリエイティブでも何でもない。本当にクリエイティブな人は「誰かのために何かを生み出す喜びを知っている人」だと僕は思う。

あっ、余談だけど、旅行も長々続けてると案外飽きるよ。僕も時々1か月くらい旅行に行ったりするけど、大体2週間くらいで飽きてくる。答えは一つ。消費しかしていないから。だから、飽きてきたら「そろそろ働きたいなぁ、生産したいなぁ」なんて思っちゃうわけだ。

もし周りに楽しくなさそうな大人がいれば、その人は消費ばかりに目が行ってるのかもしれない。「あれもほしい、これもほしい」「ああしてほしい、こうしてほしい」。悪いことではないけど、生産だって楽しいのにね。そうした人は、本来何かを生み出すはずの仕事さえも消費しちゃっているのかもしれない。会社からもらった仕事をただ消費するように働いている。本当に考えるべきは、その仕事を通してどんな人に、どんな商品やサービスを作って、あげられるか?そんなことはもう忘れちゃったのかなぁ。

ウダウダ言ってるけど、結局、大人って楽しい?
やっぱり僕としては、案外悪くないし、思ってるよりも楽しいよ。
だから正直辛くてしんどい場面が多くても、何とか首の皮一枚

でもね、首の皮一枚になって初めて見える面白い景色があったりするから、困るんだなぁこりゃ。

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