あやとり家族二十八
地球がなくなったら、宇宙がなくなったら何が残る?それが不安で怖くて眠れなかった小2のももちゃん。
小2の時、担任の先生が急遽変わった。先生が妊娠したからだ。
若い先生から50代の女の先生に。
新しい先生はとにかく歌や音楽が好きで、朝の朝礼から歌わされる。
口を縦に開けろだの、お腹から声を出せだの、小2の子どもたちにはあまり理解できない発想。
時間が空けば校歌の練習もさせられ、とにかく毎日歌わされる。
すずちゃんにも言われた「いっつも歌っているけど何やってるの?」って。
伴奏つきで歌うものだから、隣のクラスにも響く音量。
「真面目にやって」とか、よく言ってたな。
この先生は音楽専門の資格を持っていたらしく、音楽のために学校へ来ているような先生だった。だから他の授業で何を習ったのか全く覚えていない。
親も親だったけど学校の先生もこんなんで、本当に嫌だった。
やっときた夏休み。
その頃はNHKで子ども向けの映画を流していた。
私が偶然見たのは手塚治虫の火の鳥〜宇宙編〜
あまりにも衝撃すぎた。多分小2で理解する内容でもないものだと思うが、発想だけは豊かだった私は脳内多動に陥った。
家で飼っている犬も本当は話せるのではないか
私の気持ちを理解しているのではないか
犬と話せるのではないか
などなど、沢山の疑問が出てきて最終的には
”地球がなくなったら私はどうなるの?”
っていう発想から、
”宇宙って何?それもなくて何もなくなったら何になるの?”
って飛躍して怖くて眠れなくて、この質問をお母さんにずっとしていた記憶がある。どんな返事だったかは覚えていないけど、納得いく内容ではなかったと思う。
納得していたら、きっと覚えているだろうから。
それからしばらくは怖くて怖くて、眠るのも難しくなって。
でも、子どもだから疲れて眠るんだよね。
しばらくの間はずっとこのこと考えていた。