「アベコベの世界」番外編 環境の影響の大きさ(建築士の視点から)
「アベコベの世界」自己否定の仕組みを連載してきて、ある共通点に気づきました。それは私達は「環境に大きく影響を受けている」と言うことです。
「アベコベの世界」自己否定の仕組みその1 は「騒音」がテーマで、住んでいる地域や住環境が心身に大きく影響していた事がわかりました。「大通りに面していて車やバイクの騒音が常にしている」「家業の製造業の騒音」などが心理的なトラウマの原因となっていたようです。騒音基準の一般的な数値は昼間は55dB以下で夜間は45dB以下になっています。それに対して交通量が多く道路に面している場所は90dBあり、あきらかに許容範囲を超えており、その騒音の中で暮らし続けるのはかなりのストレスです。物理的な居場所が安心安全でないと心の安心感を育てるのは難しいのです。
そして近隣商業地域あるいは商業地域では建蔽率、容積率が高くマンションやオフィスビル、店舗など色々な用途の建物が混在しています。便利ではあるけれど一日中賑やかで落ち着かない状態です。その点住居地域は交通量が少なく静かで住環境の違いを大きく感じます。
「アベコベの世界」自己否定の仕組みその2 では後日談として電力会社に頼んで電力を40Aから60Aに戻してもらったところ、今まで悩まされていた騒音の感じ方が一瞬で楽になったと言う体験をしました。電気環境からも何かしらの影響を受けているようです。
ー都市計画の見直しー
落ち着いて過ごせる環境で暮らすには、都市計画から見直した方が良いのではと思います。オフィスや店舗は生産性を上げる事が大切になります。(交感神経が優位)住居は安心安全の休息の場です。(副交感神経が優位)これらの建物を整理し住み分けるだけでもだいぶ環境的に違うと思います。
イギリスのレッチワースの「田園都市構想」に基づいた都市計画によってつくられた田園調布は、中央に駅や広場や郵便局がありその外周に円を描くように住宅が配置されています。よく整理されており暮らしやすそうな街作りがされています。
だいぶ時代がさかのぼりますが縄文時代も中心に広場があり、それを取り囲み円を描くように住居を配置していました。争いの痕跡も無く平和な時代だったそうです。
➖自分にとって最高の居場所(住環境)とは?➖
動植物を例にあげると、虫の世界だとゴキブリやハエはキレイな環境では発生しません。サンゴもまた光が多く届くところでしか生きられません。動植物は自分に適した環境を知っていて同じ種類でまとまって暮らしています。あわない環境では生きられない、動植物はわかりやすいです。
私達人間も同じ生き物です。自分にあう環境、あわない環境があります。そして環境から無意識に受ける心身への影響は大きいです。人間が環境によってつくられると言っても過言ではありません。どんな環境に身を置くかが大切になります。快適で充実した人生を送るためにどんな環境に住みたいのか?どう暮らしたいのか?何が快適で何が不快なのか?環境も含め自分自身をあらためて見直す必要があるのではないかと思いました。
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