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能楽、海を越える⑧-2【川瀬隆士 先生】観光編

前回の投稿では、川瀬隆士先生に
オーストラリアやイタリアなど、様々な海外公演についてお話いただきました。

こちらの【観光編】の記事では
公演以外の時間はどのように過ごしていたか、
思い出を伺ってみました。

着物で夜のロンドンを歩いてみた写真

■川瀬隆士 Kawase Takashi
シテ方宝生流能楽師
1984年、新潟県三条市生まれ。
2002年に入門。19代宗家宝生英照、20代宗家宝生和英に師事。初舞台「右近」ツレ(2005年)。初シテ「生田敦盛」(2013年)。


🍨食べもの

海外公演のとき、私は笛方の小野寺竜一さんについて行くことが非常に多いのですが、小野寺さんって、ものすごくグルメなんですよ。グルメな上に、 絵画や美術品、さらには教会やモスクなどへの造詣もあって、この国に行ったらここに行きたい!っていうのを明確に持ってる人です。グルメ観光には事欠かなかったですね。特に小野寺さんは甘党なのでイタリアで御一緒させていただくときは1日3回美味しいジェラート食べてました(笑)。

真ん中が小野寺竜一先生
ドバイでは金箔がかかったソフトクリームを。
エミレーツパレス1FにあるLe Café


🚕タクシーの運転手さん

中東のオマーン公演の際、入国して直ぐに会場視察をしました。その後に他のメンバーは先にホテルへ向かってもらい、御家元と私は後からホテルに向かうことになりました。夜も遅い時間で土地勘の無いまま歩いていたら、たまたま流しの運転手がいたんですよ。言葉は通じませんでしたが、普段見慣れない日本人だからなのかとても親切にしてくれました。

「僕らは何日間かここにいるから、 仕事に行くとき、観光に行くときに運転をお願いできますか?」と聞いたら、「オッケー!オッケー!」みたいな感じになって(コミュニケーションは基本カタコト英語と身振り手振りです)、連絡先を交換しました。

仕事のときも観光のときも良い具合に名所や美景を回ってくれてました。しかし、いつも約束の時間に10分から20分くらい大体遅れてくるんですよ。「アブダビタイムかね」なんて話していたんですけど、よくよく話を聞いてみたら、その運転手の自宅(UAEとオマーンの国境の山岳地帯)から私たちが滞在していた市内に来るまで、2時間ぐらいかかっていたらしいんです。

それでも毎朝来てくれて、穴場の撮影スポットや市場での値切り交渉の相場を教えてくれたり、車のスピーカーで日本のアニメソングを爆音で流してくれたり、、、最後には子供用の土産まで持ってきてくれて、面白くて優しい人でしたね。

帰国後も メールのやり取りは続きました笑。オマーンという国はとても親日国家ですし、真面目で紳士な方が多い印象でした。中東観光を考えておられる方にはおススメです。お酒は飲めませんが、、、。


🎤みんなでオーソレミオ

イタリアのカッラーラのワイナリーで公演をしたときは、能楽師の人数が多かったので、私を含め、数人はブドウ畑の近くの民宿に泊まらせていただきました。
滞在していた時に、民宿の女将の娘さんがミラノから帰省するらしく、「誕生日パーティーをやるから日本人も参加してくれ!カラオケ得意だろ??」と言われたので(イタリアでもカラオケは人気らしいです)民宿組は全力で参加しました。本当に盛大なパーティーで、ファミリーだけでなく彼らのお友達もたくさん来て、40~50人くらい集まってたんじゃないかな。
最初は恐る恐るだったんですけど、最終的にはみんなでオーソレミーヨを大合唱したのが良い思い出です(笑)。


✨川瀬先生の公演情報✨

宝生会定期公演
2025年2月に「草薙」のシテを勤める予定です。
※チケットの発売は2024年12月14日(土)朝10時~を予定しております。
詳細は宝生能楽堂の公式HPXをご確認ください。

Neo Japanesque 能楽堂Live vol.2
2025年1月25日(土)開催 @名古屋能楽堂
2025年3月23日(日)開催 @新潟市民芸術文化会館能楽堂
※開催時間は現時点で未定


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■海外公演【公演編】

■「受け継いできたもの」

■お稽古場情報



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