きょうだい児の心のケアで親が大切にすべきこと
きょうだい児。
と一言に言っても、勿論置かれている状況、兄弟姉妹の受容の仕方、考え方は様々です。
ですから、きょうだい児の心のケアにおいて「〇〇だけが大切です」という
のはとても言えません。
ですが、心のケアにおいて、これは絶対にママたちにやってもらいたいなと思うことがあります。
それが「ママ自身の心へ矢印を向けること」です。
きょうだい児の心のケアなのに親が?と思うかもしれませんが、
とっても大切なのです。
なぜそれが大切なのかを今日は書いてみます。
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きょうだい児を育てるママはとても毎日忙しいです。
いろんな方にお話を聞くのですが、
本当に目の回るような生活を送っておられる方も…多いですよね。
家事などで手放せるものを手放しても、なお忙しい…本当に時間がない、毎日が緊迫した状況という方もいらっしゃるかと思います。
そんな忙しいママたちに、私はさらに「自分に目を向けよう!」と言っているのですから「そんな時間も余裕もないわ!!」と怒られてしまうかもしれません。
だけど、絶対にここは諦めないで欲しいのです。
こう思うようになったのは、私のある失敗談が関わっています。
以前、教員だった私のところへきょうだい児のことを相談しにこられたママがいました。上のお子さんは重度の自閉症でママはいつもとんでもなく忙しく動き回っておられました。
当時の私はまだ心理学やカウンセリングについて学んでいない頃でしたが、不登校のお子さんに対応することも多々。
相談理由はきょうだい児の登校渋り。
どう対応したらいいのか悩まれているところでした。
最初はお子さんに対してどんな対応がいいのか?どんな声掛けがいいのか?を色々とお伝えしていました。
ママも一生懸命話を聞いてくださり、そして必死に私が伝えたことを実践しようとなさっていました。
なんですが…しばらく経ってからこう言われたのです。
「先生が言うことは理解できました。頭でもやった方がいいってわかっています。
だけど…頭では分かっているのに、できません。
教えてもらったように子どもに寄り添おうとすると、
『こんなことしたくない』って何かに止められる感じがしたり、
子どもの何気ない言葉にカッとなってしまって全然違う対応をしてしまうんです…
自分がダメな母親でほんとに嫌になります。」
よくよく話を聞いてみると、
実はそのママ自身が幼少期の心の傷を抱えたままだったということが分かりました。(いわゆるアダルトチルドレンです)
わが子への理想的な対応が頭ではわかっていても
ママ自身が心の傷を抱えたままだと
・過去の経験がトリガーとなり、怒りや不安などの感情が過剰に表れる
・自己自身が親から受けた扱いや教育方法を無意識のうちに子どもに反映させてしまう
・自己肯定感や自己評価が低くなっていることが多く、これが親としての自信の欠如につながり、子どもへの適切なサポートが難しくなる
といったことが起こります。
頭でこうした方がいい、と分かっていても
感情をコントロールするのがものすごく難しいのです。
当時の私は、子どもへの支援は分かっても、ママ自身の心の傷にどう対応すべきか分からず…
そのママには、別の方からカウンセリングも受けることをおすすめしました。
結果的にそのママはカウンセリングに通いながらお子さんに向き合われ、登校渋りを解消したと連絡がきたものの、
悩む時間が長くなってしまったのも事実。もっと早い段階で繋いでいれば…という後悔が残りました。
そしてその後、今度は私自身が子育てやきょうだい児への心のケアで大いに悩むことになります。
まさに頭では理想の対応が分かっているけど、できない…
できたとしても、いくら子どもが成長したとしても
子育ての悩みは尽きることなく、次から次へと湧いてきました。
何よりもまず先に心の見方を知っておけば、
もっと早い段階で自分の心を見てもらっておけば、
私も、こんなに自分も子どもも悩むことはなかったと思います。
それが分かっていれば、あのママにも最初にお伝えする内容は
全く違うものになっただろうな…と力不足を実感したことがあります。
(もちろん、人に頼ることも大切なので、もっと早い段階でカウンセリングにつなぐこともできた)
どれだけ、心のケアについて学んで
どれだけ子どもへの寄り添い方を学んでも
表面だけ変わったとしても
ママ自身が根本的に変わらなければ
一瞬解決したように見えても
結局、問題は別の姿形に変わって表れます。
脅すつもりなんてないんですけど、これは事実です。
私は今、一体どう感じているのか?
どんな信念があって、わが子へこんな対応をしているのか?
あなたが過去のあなたを救いにいくことで
わが子への対応も必然的に変わってきます。
きょうだい児の心のケアはそれができてこそ成り立ちます。
私のことなんて考えてる時間も余裕もない!というママ。
本当にそうだと思います…
でも
本当はどこかに「自分のために何かをすること」に罪悪感も感じてはいませんか。
本当はどこかに「変わることが怖い」「どうせ変われない」という思いもありませんか。
でも、ママが幸せになることに、自分のために時間をとることに
罪悪感を感じる必要はありません。
別にそのままでもいいんです。
だけど、やっぱり自分のために幸せになりたいなと思って勇気を出せたら。
わが子もそんなママの姿を見て「自分を幸せにしてあげる」ことの大切さを学ぶはずです。
子どもたちのママに対する願いは、シンプル。
ママが笑ってくれていることが本当に嬉しくてだいすきなんです。
ママが幸せになると子どもも幸せになる😊
それではまた、次の記事で。