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きょうだい児にかけてた呪いの言葉

この記事では、障害や病気がある子を兄弟姉妹、障害や病気がある子を「きょうだい児」と読んでいます。

きょうだい児であったまだ2歳の息子に、よく言っていた言葉があります。

「いい子だね」
「優しい子だね」
「お利口さんだね」
「えらいね」

・・・

私だけでなく、きょうだい児を育てるママの中には無意識にこれらの言葉を口に出している方もいるかもしれません。

一見、その子を褒める良い言葉のようにも思えるのですが

この言葉こそが
きょうだい児を縛る「呪い」になりかねないな…と
感じるのです。


本記事ではこの言葉について
少し考えてみます。

*********

実は私も幼い頃にこれらの言葉をよく言われていました。

私が産まれたあと、ほどなくして
祖母を介護するために
家と病院を何度も往復する母を見て育った私。

長女だったこともあり

迷惑なんてかけられない、
いつもしっかりしていなくては
弟の面倒は私が見なくては

そういった思いの中で生きてきました。


「いい子だね」
そう言われることは私の中でとても重要なことで
誇りでもありました。

むしろ誰かに「いい子だね」と言われることを常に求めて
行動していました。

評価してもらいたかったんですね。


そんな私でしたから、これらの言葉を自分の子どもにかけることを
最初は疑問に感じたことはありませんでした。

娘たちの療育で忙しかった時期は特に息子に
「いい子だね」って声をかけていたように思います。


ですが、そうやって育てた息子が大きくなっていくにつれ、段々と
違和感を感じるようになっていきました。


【おや?と感じた息子の行動】

私の顔色ばかりを伺って、こちらが求めていることを察して行動する、

寂しいはずなのに寂しいと言わない(言えない)、

何かを決めることがものすごく苦手、

「どれがいい?」と聞くと「わかんない!」
とか「ママが決めて!」と言う、

酷い癇癪を頻繁に起こす、

でも幼稚園では物凄くしっかりしている。。

これが

自分を抑圧して親や周囲の期待に応えようとする傾向が強くなる

『いい子症候群』

だったんだなと気付いたのは
随分経ってからでした。



今考えれば、私は彼にこれらの言葉をかける時に

「いい子でいてね」

「優しい子でいてね」

「お利口さんな子でいてね」

「間違ったことをしないでね」



無意識にそう思っていたんですね。

裏返せば
そう伝えることで、どこかで
彼をコントロールしたいと思っていたのです。



「いい子でいてくれないと困るよ」

「優しい子でいてくれることを望んでるよ」

「お利口さんじゃないと認めないよ」

「あなたくらい間違えずに動いてくれないと、私やってられないよ」

というふうに。

もちろん、当時はそんなこと思ってたなんて
考えもしません。


ただ、こうやって
「いい子だね」と声をかけ続けた
(「いい子であること」を求め続けた)結果、

彼は誰かから評価されることばかり求めるようになっていました。


いい子症候群の子って特徴があるんですが、
まさにこんな感じ。

  • 期待に反しないように常に察して行動する

  • 自分より他人を優先しなければならないと思い込みがち

  • 誰かの顔色を伺ってばかり

  • 自分の感情を後回しにする

  • 自己犠牲的

  • 自分から「何かをしよう」という意思が湧いてきにくい

  • 自己決定が苦手   など


…見てるだけで

生きづらそうだなあって思っちゃいますよね。


いつも自分でやらねば、が根底にあれば
誰かに頼ること、お願いすることも苦手だったり、
恥ずかしいことだと思っていたり。


いい子症候群の子って大人になってから
生きづらさを感じて…というケースもありますが、

大人にならなくても、

学校への行き渋り、不登校
という形で子どもがメッセージを送ってくれることもありますし

問題とされる行動や突然の激しい癇癪
などを通して教えてくれることもあります。

「いい子だね」の代わりに何をする?

こんな話をすると、「私が悪いんですね…。」と
ご自身を責めてしまう方が多くいるかもしれません。

ですが、ママは自分を責める必要はありません。
ジャッジしないで欲しいのです。

ただ、「いい子だね」という代わりに、これまでと違う選択をしてもらいたいのです。

それは

「いい子でいなさい」と言っているママご自身に
矢印を向ける、ということです。


…そうやって考えた時、

ママがママ自身に「いい子でいなくては」の呪いを
これまでずっとかけ続けてはいることに気づきませんか?

「誰かを困らせないようにしなくては」
「私より子どもや家族を優先しなくては」
「自分のことは後回し」にして、

ママ自身こそ「いい子症候群」で苦しんできてはいませんか。

頼ること、甘えることを悪だと思ってきてはいませんか。

本当は、ずっとずっと認めてほしい、という思いが溜まっていませんか。


もしそうなら…まずはママ自身の心を見直していただきたいのです。


気づいたらそれがママの人生も、お子さんの人生も変わるチャンスになります。

きょうだい児ってほんと…
たくさん助けてくれる子多いですよね。

お母さんにとってとっても心強い存在で頼もしい子もいると思います。


そんなきょうだい児も兄弟姉妹もみんなが笑顔になるため、

まずはママから笑顔で幸せになってほしいのです。


「いい子だね」って子どもに言いたくなる時
まずは自分にぜひ矢印を向けてあげてくださいね。


ママが幸せなら子どもも幸せ。

では、また次回会えるのを楽しみにしています^^

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