計算機言語存在論:井筒俊彦と落合陽一を架橋する超越論的試み
第1章:井筒俊彦における言語と存在の弁証法:コトバの深淵と存在の顕現
1.1 言語の超越性と存在論的次元
井筒俊彦の哲学において、言語は単なるコミュニケーションの道具や記号体系にとどまらず、存在そのものを照らし出す光、世界を構築し顕現させる力を持つものとして位置づけられる。彼にとって言語は、人間の思考や感情を表現する手段であると同時に、存在の根源に深く根ざし、宇宙の真理を解き明かす鍵となる。井筒は、言語を「コトバ」と表記し、その超越性と存在論的次元を強調する。
1.2 空と色