教育現場から 番外編 日々是精進の巻
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ごきげんよう、桃ちゃんです。久しぶりに教育のおはなし。
教職の道は勉学に励むこと
なかなか時間が取れないことも多いですが、常に学んで上を目指すのが教職者としての使命です。
勉強会に参加したり、本を読んだり……日々トラブルやイレギュラーが起こる教育現場で、己のためにあれこれやれるだけの体力は無いかもしれませんが、自分の授業の腕、指導のスキルを磨くことは、作業の効率化にもつながるので、やっておいて損はないでしょう。
今回は私がやっているルーティンや、読んでよかった本の紹介を通じて、教職に就いている方々に「もっと上を目指そうぜ」というささやかなエールをお送りするという番外編です。では、いざ。
健在! 桃ちゃんの授業記録ノート
毎回の授業について振り返りのノートをつける、というのを初任の頃からずっと続けていて、200ページ超あるお気に入りのノートも遂に4冊目に到達しました。単純計算でいくと800ページ書いていることになります。
自分でもよく続けているなあと思っているのですが、続ける「コツ」があります。
ひとつは、短くまとめること。長々と書いているとやる気が失せるので、忙しい時は要点だけかいつまんで、よかったこと・悪かったこと・次回やることの3点だけは書く、と決めています。
もうひとつは、たまに読み返すことです。これだけでも成長を感じられてモチベーションアップにつながるのでオススメです。
無理なく、自分にできることを、できる範囲で記録して、次の実践につなげていくことを意識しています。
こちらが現在の反省ノートの様子です。今は小学校で勤務しているので、理科や書写も担当しています。
読んでよかった本のこと
作問勉強会にも都合がつかなくて参加できず、校内の研修だけでは物足りない、というわがままな桃ちゃんは、この本を読んで勉強しています。
これは日本語教育分野の本で、N1レベル(日本で論文を書き、研究するくらいのレベル)相当の外国にルーツを持つ日本語学習者向けのドリル・読み物です。
でも、日本語母語話者の私にとっても興味深いことこの上ない、というのが正直な感想です。
というのも、取り上げられているトピックが「多文化共生社会」「心と体」など、様々なジャンルの研究論文の解説なのです。読みやすい文体だし、高校生にも独学でおすすめできそうです。
私はこれを使って、発問の工夫について勉強しています。
昨今では高等学校でも「言語活動」が重視されるようになっていますが、実際に何をすればいいのかよくわかっていない、という方もいらっしゃると思います。
でも少なくともこの本を読むと、「語句などの基礎的な知識理解」の上に「正確な内容把握と読解」が乗っていて、さらにその上に「発展的な活動として、自身の経験に基づき議論したり、研究論文を要約したりする」という言語活動が重なっている、ということがわかります。
その要領で、単元ごとの授業も「基礎的な知識の教授」に始まり、「内容をていねいに、精読し注釈をつけるくらい深くまで読み解く」活動を行ない、最後に「児童生徒の体験に基づいた言語活動(話し合い、要約、意見文……これは活動の幅が広いですね)」の実践につながっていくのだ、と意識的に授業を組み立てることができるようになります。
私もこの本を読んでやっとその構成というか、発問の順序に気付けたので、他にもお悩みの国語科教員の方がいればぜひ。
教職に王道は無いけれど
教職に就いたからには研究と修養に努めなければならないのですが、私は結構独学でいろいろやってしまいます。無手勝流なのは百も承知です。
でも、日々の忙しさの中で忘れがちになってしまうのがこの「研究と修養」でもあります。
校内研究だとか、地域での交流会だとか、そういう場を設けてくれていればそれを活用していくのも手ですし、実際に授業を見学したり、ひとつの指導案で議論したりしたことが、日々の業務改善に寄与することもあります。
ただ、私はもっともっと知りたいことがあって、悩んでいることがあって、どうしても「個人の経験則」だけで語られがちな教育業界でもノウハウ共有を促進したいと思っています。
だからこその独学でもあるのですが、それはまた別のおはなし……。
これからも自分にできるスタイルで教育に力を入れていきます。それでは、また。