『40万円の教え』バリ島で北京のお坊さんに学んだこと
時は2019年夏。
遅めの夏休みでバリ島へと旅立った私は、様々なトラブルに見舞われながら無事目的地へと到着した。
本稿は以下の記事の続編であり、現地で出会った北京のお坊さんとの間に起きた、ちょっぴり怖くて印象的な出来事について綴ったものだ。
※続編のリクエストをもらいつつも、後編は内容面でも色々あって書くか迷いました。
そのため、興味と理解を示してくださる方だけ見られるよう、最後の部分のみ有料かつ限定公開とさせてください。
自分が訪れた観光スポットは以下の記事にまとめたので、旅行記とは別で見てみてください。
読むと旅がしたくなるかも。
飛んでゆくお金
以下の記事をご覧の方はご存知かと思うが、バリ島に旅する際、自分は間違えて40万円のファーストクラスのチケットを買ってしまった。
ただ、不本意ながらも貴重な体験となり、すっからかんの財布のことなど忘れるくらいに気持ちが高まったことを覚えている。
バリ島に到着後、アルファードでの送迎を経て、ホテルに到着。
バリ島は低価格でありながら、設備が揃ったホテルが多い。自分のホテルにもプールが付いていた。
ホテルに着くや否や、倒れ込むように眠りにつく。色々あって疲れていたのだ。
翌朝目が覚めてからは、旅の計画を立てるために近くのカフェへと向かう。
するとホテルの前に、ガイドのような人物が立っていた。
どうやら観光客たちを見つけては色々と提案しているようで、他にも何人かウロウロしていた。
バリ島には、以下のような様々なアクティビィティがある。
巧みなトークに引き込まれ、ガイドの話に耳を傾ける。
この時はファーストな気分がまだ残っていたので、お財布の紐が緩みがちだった。ガイドの口車に乗せられ、マリンスポーツに参加することに。
その中で自分が選んだのが、以下のマリンウォークだ。
今まで経験したことのない、めちゃくちゃ魅力的なアクティビィティだ。参加を決め、ガイドにお金を払って海へと向かう。
体験としては非常に楽しかったことを覚えている。熱帯に住む色鮮やかな魚たちに囲まれ、海の底を歩く体験は非日常そのもの。
相場の二倍から三倍近い値段でぼったくられているとも知らず、呑気に魚を眺めていたのであった。
行きの飛行機と同じように、自分の予算がどんどんと空へ飛んでいく。
奇しくもそのことに気づいたのは、美しい海の底だった。
騙されやすい性分なもので
無事ぼったくられた後は、二度とこうしたミスを犯すまいと心に誓う。
誰かにホイホイ着いていくのではなく、自分の道は自分で切り拓くのだ。
すぐさまカフェに駆け込み、旅の工程を練り上げる。
次の目的地はウブド。
バリ島の内陸にある有名な観光地だ。
しかし、空港周辺のホテルからは遠いため、原付をレンタルして向かうことにする。
以下の条件で日本人でもレンタルすることができる。自分の場合、複数日程でレンタルをした。
無事レンタルが済んだ後は、現金を下ろすためにATMへと向かう。空港で両替した2万円の内、確か1万〜1万5千円をガイドにぼったくられていたからだ。(今考えるとアホすぎる)
しかしここであることに気づく。持ってきたキャッシュカードが機能しないのだ。JCBカードのエラーか、カード会社の手続きが必要か何かで、お金を引き出せないことがわかった。
ここで、この旅の予算上限が決まった。手元にある残り5千円でなんとか最終日まで持ち堪えるのだ。
聖地ウブドへ
昨日までの豪遊はどこへやら。
ファーストクラスとは程遠い、極小予算での旅となったわけだが、それでも気にせずウブドへと向かう。
ちなみにこの頃は旅に慣れておらず、海外用のSIMという仕組みすらも知らなかった。(電波を繋げるためのもの)
そのため、Wi-Fi環境で地図を確認し、次のWi-Fiがありそうなところまで、地図を暗記して向かうという謎の移動方法をとる。
ここで、地図やWi-Fiがない時の旅のコツを紹介する。
当時の自分はこの方法で移動していた。ちなみに、電波がなくてもマップの大体の位置は確認できたりもする。
今はWi-Fiや海外SIMが当たり前だと思うので、こんなことをする必要はない。というか、しない方が良い。
ただし、この方法を使うと不必要なサバイバル能力や方向感覚は鍛えられる。(責任は取りません)
ちなみに、バリ島と言えば美しいビーチをイメージする人も多いと思う。
ただしこの時の自分は、海で一度ぼったくられたトラウマから、海沿いに寄り道せずにウブドへと向かうことにした。
美しき自然
バリ島の自然は美しい。
街は花の香りが漂い、内陸には美しい棚田が立ち並ぶ。
日本とは全く異なる異国情緒を楽しみながら、原付を走らせる。この旅で失った投資分のお釣りが来るくらい、素晴らしい体験だ。
そうこうしている間にウブドに到着。
ウブドは自然に囲まれた緑豊かな場所だ。この場所を起点に数日間滞在しながら、バリ島観光をする計画を立てた。
現代の錬金術師
ウブドに到着してからは、数日間の猶予の中で、行ける限りの場所を行き尽くしたように思う。
別の記事にまとめたように、バリ島には様々な観光スポットがある。
寺院、火山、カルデラ湖、棚田、森、美しいビーチなど、様々な場所を原付で訪れた。
小さい島だからこそ、多様な地形を短時間で楽しめる。食事や文化も奥深い。興味のある方は、ぜひいつか行ってみてください。
そんなこんなで限界まで観光を続けていると、どうしてもお金が減ってくる。バリ島の日差しが次第に肌に突き刺さってくる。
現金が引き出せないため、日焼け止めすらも買うことができなかった。その代わり、現地の人の提案で道端のアロエを肌に塗ったりもした。
服も足りなくなり、ファーストクラスのパジャマも現地の人っぽく着こなした。(つもり)
ついには、食事をするお金もなくなりかけた。
しかし、捨てる神あらば拾う神あり。
現代の錬金術師と出会い、お金の不安は解消されたのだった。
現代の錬金術師とは、上記のレストランで出会った店長さん。
このレストランは、現金以外で自分が持っていた唯一の決済手段である、JCBカードを使える店だった。
このお店の店長さんと世間話をしている時、今手元に現金がなく、困っていることを伝えた。
すると彼が提案してくれたのが以下の方法だ。
金を生み出す現代の錬金術だ。
「店員さん、本当にいいのか?」と思ったが、店長権限だそうで大丈夫とのこと。
こうして現金を手に入れることに成功し、旅におけるお金の不安は解消されたのであった。
ちなみに、今でもこの時の店員さんから電話がかかってくることがある。結婚して子どもも生まれたそうで、家族の写真なども見せてもらった。
ただ、コロナ禍の時は本当に大変だったようで、その際は国際送金をして支援して欲しいと言われたこともあった。
こうした一期一会の出会いは旅の醍醐味だし、そうした縁や助けに恵まれることも多い。
北京のお坊さん
お金の不安が解消され、なんとか持ち直したバリ島滞在だったのだが、実は滞在途中にとある出来事に遭遇することになる。
その日の夜は、滞在先近くの食堂で食事をとっていた。
すると、遠くから何やら視線を感じる。
視線の先には僧侶らしき格好をした男性が座っており、黙ってこちらを見ている。
目が合ったと思った次の瞬間、緩やかな所作で立ち上がり、ゆっくりとこちらに近づいてくる。そのまま自分の席の隣に座ると、世間話をし始めた。
彼は若干二十歳ながら、名門北京大学で学びつつ、テクノロジー?か何かの分野で起業したとのこと。しかも僧侶。人生において、初めて出会うステータスの持ち主だ。
なぜそんな人物がウブドに一人でいたのか。
聞くところによると、精神的な浄化や瞑想の場としても利用される場所だからこそ、バカンスも兼ねて来ているらしい。
記憶が曖昧だが、ウブドに家もあり、他の国にも拠点があるとのこと。
物凄い経歴の持ち主ゆえ、好奇心が止まらない。
すると彼は、以下のように尋ねてきた。
こんなような調子で、レストランの後に北京のお坊さんの家に行くことになった。家族などもきっと家にいるのだろう。
しかしこの時の自分は、なぜ彼が自分のことを遠目から見ていたのか。やたらと話す時の距離が近い理由。原付の後ろに乗せて欲しいと言った理由。家に招待された理由などを全く理解していないのであった。
※リクエストをもらいつつも、この先は書くか迷ったので、興味と理解を示してくださる方だけ見られるよう、有料かつ限定公開とさせてください。
北京のお坊さんを尊重したいのと、あまり内容を大々的に公開したくないためです。
煩悩と苦悩の果てに
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