海外生活のシビアな現実をあえて書いてみる
ヨーロッパの街並みは、時に映画のように美しく、夏の空気は清々しい。
だが、季節が冬に近づくにつれ、日照時間は短くなり、重い雲が空を覆い始める。
景色の華やかさはそのままでも、なんとなく気分が沈むような灰色の日が増えるのだ。
海外生活は華やかなだけではなく、大変なことも多い。
記事を読んで下さる方が増えたのもあり、誤解のないように海外生活のリアルをしっかり伝えようと思ったため、本記事を書くことにした。
重くなり過ぎないようにざっくりと。
街を歩けば目に入る優雅な建築の影には、物乞いやホームレスの人々の姿がある。
夜中の道端で「ペプシ奢ってくれ」と唐突にせがまれることもある。駅やスーパー、至る所で物乞いの人に声をかけられる。
こうした光景は、特に治安が悪かったり、経済格差が浮き彫りになる地域では日常茶飯事だ。
ベルギーのブリュッセルの街中は想像以上に汚れていて、パリには一歩踏み込むと危険を感じる場所もある。
ギリシャのアテネは、街中の壁という壁が落書きだらけ。世紀末のような荒れ果てた場所に出くわすことも珍しくない。
スターバックスの中で必死に太鼓を叩き、小銭をもらおうとする子どもたちの姿も目撃した。胸が締め付けられるような思いだ。
道端では、足の形が変形してしまった人や、歩くことができなくなった人たちが、コップを持って座り込んでいる。こうした現実に直面するたび、自分はどうしたら良いのかと考えさせられる。
知り合いの何人かは、携帯や財布を盗まれる被害に遭っている。常に自分の持ち物を気にしながら警戒して歩かなければならない。
ヨーロッパでは社会問題への意識も強く、大学構内や街中では、イスラエル・パレスチナ問題やロシア・ウクライナ問題に関するデモを目にすることも多い。
現地で知り合った友人たちも、これらの問題に高い関心を持ち、SNSなどで自分の立場を表明している。
アメリカや他の国の動きなども含め、いつヨーロッパの情勢が変わるかもわからない。
海外で働くことに関しても、日本人であることが武器になる場合もあれば、逆に足かせになる場合もある。
異国の地では当然自分は外国人だ。
現地の人を差し置いてでもオファーをもらうには、「この外国人を採用する意義」を明確に示さなければならないからだ。
特に経験やスキルが充分ではない場合、理想とする職種での就職はなかなか厳しいと思う。
ヨーロッパでは新卒ですら即戦力であることを求められることもあり、経験がなければ採用されない求人が多い。
この「経験がないから働けない、働けないから経験が得られない」という禅問答のような状況には、現地の若者たちも苦しんでいるようだ。
そういった現実を知ると、日本の新卒採用のシステムの功罪も見えてくる。
さらに、海外で長く働き続けるには企業のビザサポートが必要だ。そのため、圧倒的な成果や専門性を発揮できなければ、継続は難しい。あるいは自身で起業するか。
一方で、現状の役割を超えた視点で仕事を進めたり、組織の課題を見つけて提案することで、チャンスを掴むこともできる。
だが、それが他人の役割を奪うことにならないよう注意しなければならない。誰も気づかない問題や取り組まれていない課題に手をつけることが重要だと感じる。
自分自身、そうした仕事を取りにいきつつ、相手の期待を超えるアウトプットを常に心がけ、これまでの経験とテクノロジーを駆使して働いている。
英語力は必須だ。最低限のコミュニケーション能力と英語力さえあればできる仕事もあるが、それでは選択肢は非常に限られる。
さらに、国ごとの働き方や文化、多様性を理解し、配慮することも欠かせない。伝え方を間違えたり、無理な要求を押し付ければ、簡単に訴訟されるリスクもある。
日本では当たり前の働き方が、ここでは通じないことも多い。
最後に、海外で働くと言っても色々な方法があるので、自分の納得のいく道筋を模索するのが良いと思う。
生活面でも、医療や公共サービスは日本ほど時間通りではないし、すぐに利用できるものでもない。電車がストライキで止まったり、修理業者が約束の時間に来ないこともある。
物価や家賃も高く、住む場所や仕事を見つけるのに縁とタイミングが必要になる。
特に住宅事情はシビアで、そこそこの家賃を払っても、シャワーの水圧が弱かったり、ネズミが出たりすることもある。
そして「孤独」にも向き合わないといけない。
自分から人間関係を築いていかなければ、どこまでも孤独になってしまう。
人間関係に限らず、そもそも自分でアクションを起こさないと何も始まらない。
海外生活は、華やかなイメージだけでは語り尽くせない現実の積み重ねだ。
何事においてもしっかり考えて行動し、客観的に自分を見つめ、物事を選択する必要がある。
ただ、自分としては今のところ居心地が良いし、ポジティブに暮らしている。
ここまで読んで下さった方は、何故?と思うかもしれないが。
その辺りの言語化はまたいつかしてみようと思う。
そんなこんなで、今日も手探りでこの世界を歩んでいる。
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※記事内の画像は全て筆者が撮影したものか、生成AIで作成しています。