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香港の『100万ドル』の夜景を『滞在費0円』で楽しむ方法
新卒一年目の頃、2ヶ月に1回のペースで海外を旅していた。
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お金がない貧乏旅行ばかりだったが、制限があるからこそできる旅のスタイルがある。
現地の人を頼ったり、なんとか工夫して楽しめないか頭を使ったり、旅に関する様々なサービスを使うのも良い。
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Wi-FiやSIMカードを使わず、地図だけ持って出かけた旅も多々あった。
そのせいで酷い目にあったこともある。
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ただ、不便ではあったけれども、同時にそんな日々が楽しかった。
未開の地を切り拓いていくような高揚感。トラブルに遭遇した時の絶望感。それらを解決できた時の達成感。
仕事にも応用できるような様々な経験を、二、三日で味わうことができる。
そうした旅を通した試行錯誤が、深く思い出として刻まれる。
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本記事は、そんな社会人一年目の香港旅の記録。
セールの航空券を買ったため、往復の移動費は2万円ほど。滞在費はタダという旅だった。
現地で見た夜景は100万ドル。収支で言えば圧倒的にプラスだ。
記事を読めば、お金がなくても旅ができる知恵が身に付くかもしれません。
ただし、旅する時は安全に気をつけてください。
滞在費0円
まず初めに、香港旅の滞在費は無料だった。
以下のカウチサーフィンというアプリを使って、現地の人の家に泊まらせてもらうことになっていたからだ。
各国を旅するときに大変お世話になっていたサービスで、概要は以下の通り。
カウチサーフィン(Couchsurfing)とは、世界中の旅行者とホストをつなぐオンラインコミュニティおよびプラットフォームです。旅行者が無料でホストの家に泊まれる仕組みを提供しており、単なる宿泊の手段としてだけでなく、現地の文化を体験したり、ホストとの交流を通じて新しい友人を作る機会を提供しています。
<カウチサーフィンの特徴>
無料で宿泊:カウチサーフィンを利用する最大の利点は、ホストが無償で自宅の一部を提供することです。通常、ホストがゲストに対して宿泊料金を請求することはなく、相互の交流や文化の共有が目的です。
グローバルなコミュニティ:カウチサーフィンは世界中で利用されており、異なる文化や生活スタイルを持つ人々と出会える機会を提供します。ホストとの会話や一緒に過ごす時間を通して、その土地のリアルな生活を体験できるのが魅力です。
信頼の仕組み:利用者の安全を確保するために、プロフィールやレビューシステムが充実しています。ゲストやホストは相手に対する評価やフィードバックを公開でき、信頼できる相手を見つけやすくなっています。また、写真や自己紹介を充実させることで、互いに信頼関係を築きやすくしています。
<注意点>
安全性:利用者同士の信頼が重要です。レビューを確認し、信頼できる相手を選ぶことが必要です。
ホストとの相性:ホストの家に泊まるため、相性が合わない場合もあります。事前のコミュニケーションが大切です。
プライバシーの制約:個人宅に泊まるため、ホテルと比べてプライバシーが限られることがあります。
<使い方>
・カウチサーフィンのウェブサイトまたはアプリでアカウントを作成。
・プロフィールを充実させ、写真や自己紹介を追加。
・目的地のホストを検索し、滞在希望期間を指定してリクエストを送信。
・ホストからの返信を待ち、事前にコミュニケーションを取り、宿泊を確定させる。
当時は無料だったが、今は利用料が少しかかるらしい。
ホストを探して家に泊めてもらうことができるのだが、逆に自分がホストになって、外国の方を自宅に泊めてあげることもできる。
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身分証のアップロードや相互のフィードバック、口コミなどで信頼性が担保されている。
ただし、使う場合は自己責任でしっかりと調べることをお勧めするし、万人には向いていない。
あくまでもこうしたスタイルの旅もあるよということだ。
自分の場合、日本にいる時は海外の旅行者を家に泊めてあげたりもしていた。
ナイジェリア、アメリカ、スペインなどなど、世界各国の人に自宅で会えるのは楽しい。
東京の観光スポットや銭湯を案内してあげたこともあった。
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一方で、失敗談もある。
自分は新卒一年目にシェアハウスに住んでいたのだが、実は他人を泊めてはいけないというルールがあった。(知らなかった。。)
そのため、ある日シェアハウスの管理会社から以下のような電話がかかってきた。
「すみません、居間にスペイン人のカップルがいるそうなのですが、一体何者なのか心当たりはありますか?」
「申し訳ありません。僕が案内してしまいました。」
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こんなやり取りがあり、シェアハウスを退去したこともある。(今後別の人を泊めてあげられるように自主的に退去した。)
話が逸れたが、香港旅もこのサービスを使って宿泊先を押さえた。
Wi-Fiのある空港内でホストに連絡し、待ち合わせ場所の駅を指定してもらう。
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空港を出てからはWi-Fiがないので連絡がつかない。駅で会えなかったら終わりだ。
会えるのか会えないのか。
カップルでもなんでもないが、不安と緊張を感じながらホストを探し、なんとか出逢えた時はよくわからない感動があった。
Wi-Fiがあれば決して得ることのできない感動だ。
予想外の豪邸
早速ホストと合流して家へと向かうが、その道中に見た香港の建物が非常に印象的だった。
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香港は小さな場所に多くの人が住んでいるため、たくさんの住居を確保する必要がある。
しかし、土地の広さは決まっているため、横に広げることには限界が来る。
ではどうするか。
そう、縦に建物を伸ばしていくのだ。
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そうした背景から、香港には摩天楼のような高い建物、住居が多い。香港の独特な景観は、このようにして作られていく。
一応以下にまとめてみる。
香港の建物が縦に長い(高層化している)主な理由は、土地不足と人口密度の高さです。
1. 土地が限られている
香港は山や海に囲まれており、平地が非常に少ないです。市街地を拡張する余地が限られているため、効率的に土地を利用するために高層ビルが建てられるようになりました。
2. 高い人口密度
香港は世界で最も人口密度が高い都市の一つです。限られた土地に多くの人々が住むため、住宅やオフィスが垂直に広がる形で発展しています。
3. 経済的発展と不動産市場の高騰
経済成長に伴い、土地の価値が高騰し、開発業者はできる限り多くの住居やオフィスを一つのビルに収めることで、利益を最大化しようとしました。これも高層ビルが増える一因となっています。
ホスト曰く、風水の影響なども考えて建築したりすることもあるそうで、非常に面白いなぁと感じたことを覚えている。
そんな話をしながらホストの家の前に到着。
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団地のような場所で、マンションが連なっているのだが、中には巨大なプールもある。ジムも併設されており、施設内もとても綺麗だ。
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立地の良さも相まって、おそらくかなり家賃が高いエリアだと思う。
ありがたいことに、過去のカウチサーフィンではこうした家に泊めてもらうこともあった。
荷物を置いたのち、ホストが現地のローカルフードを案内してくれることに。
脱走
ホストが連れてきてくれたのが、香港の市場だ。
様々な食材が並び、非常に活気がある。海外の市場を見るのは旅の楽しみのひとつだ。
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この市場の見どころは何かというと、ズバリ、脱走だ。
様々な食材を眺めながら市場を歩いていると、突然目の前に黒い何かが飛び出してきた。
「ぬうぉ」
思わずのけぞると、黒い物体が道の真ん中でピチピチと飛び跳ねている。
よく見ると、それは水槽から飛び出してきた魚だった。
あまりにも威勢がいいので立ちすくんでいると、さも当たり前かの如く、おじさんが魚を網のようなもので回収する。
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無事、脱走した魚は水槽に戻っていったのだが、その後も道を歩く度に「ピチン!ピチン!」と魚が飛び出してくる。
今にも飛び出しそうな脱走予備軍の魚もおり、新手のお化け屋敷のようだった。
そんなエンターテイメントを楽しみながら、市場で現地のローカルフードをいただく。
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写真の揚げパンのようなものは、お麩か何かを揚げたかなんだかしたものだったと思う。(曖昧)
癖がなく美味しい。
お粥のようなものは、朝ご飯などによく食べるものだそう。帆立の貝柱が入っていたり、具材のバリエーションも豊富だ。
出汁が効いていてとても美味しく、体に優しいように感じる。
海外に行った時は、極力現地の人にオススメを尋ね、それに乗っかるのが醍醐味だ。
ある種のこだわりとも言える。
ちなみにこの時期はワールドカップだったため、帰宅後にホストと一緒に自宅観戦した。(しかもご飯をご馳走までしてもらった)
イギリス領香港
滞在は二日間ほどだったため、それほど沢山観光できるわけではない。
どうしようかと思っていると、先ほどのカウチサーフィンで新たな人から連絡が入り、香港市内を案内してもらうことになった。
ホストは仕事があるため、帰宅後合流することにして、日中は新たなメンバーと市内を観光する。
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カウチサーフィンで追加で呼びかけたところ、合計4人で観光することになった。
香港の街には、イギリス領香港時代の名残が至る所に残っている。
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歴史の勉強も兼ねて、簡単にまとめてみる。
イギリス領香港は、1841年から1997年までイギリスの植民地だった香港の歴史的な時代を指します。この期間は、以下のような重要な出来事で形作られました。
成立の背景
1842年、アヘン戦争の結果、清朝(中国)は南京条約に基づき、香港島をイギリスに割譲しました。その後、1860年の北京条約で九龍半島が、1898年には新界がイギリスに99年間の租借地として加わり、現在の香港の領土が形成されました。
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返還
1984年、イギリスと中国は香港の返還を1997年に実施することを決定し、「一国二制度」の原則の下、香港は中国に返還されました。これにより、香港は特別行政区として中国の一部となり、高度な自治が50年間維持されることが約束されました。
遺産
イギリス統治時代の影響は、法制度、教育、建築、交通、金融システムなどに色濃く残っています。
イギリスや日本が占領した歴史があったり、中国との関係性が揺らいでいたりと色々気になることが多いが、この記事では割愛する。
歴史の名残が街の至る所に刻まれている。
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イギリスのアフタヌーンティー文化が香港に伝わり、そこから生まれたのが香港独自の「香港式ミルクティー」です。
イギリスの紅茶文化に影響を受けていますが、香港のミルクティーは非常に濃い紅茶にコンデンスミルクを混ぜるのが特徴。現在では茶餐廳(チャーチャアテーン)と呼ばれる香港式カフェで、定番の飲み物として親しまれています。
香港式ミルクティーは甘めだが、個人的には好みの味だった。
市内には他にも様々な観光スポットが存在する。
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街並み、教育制度、言語表記などなど、様々なところに歴史の跡が見える。イギリスの語学学校の先生も、香港出身だったことを思い出した。
こうして色々観光した訳だが、ケーブルカーに乗って辿り着いた「ビクトリアピーク」の夜景は忘れられない。
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夜景の名所としても知られるこの場所は、香港旅のハイライトのひとつだ。
星空に揺られて
香港旅も終わりに差し掛かり、最後の名所へと向かう。
夜景の名所、ビクトリアパークを下り、ビクトリアハーバーを目指す。
目的は、以下のスターフェリーに乗ること。
フェリーに乗ってビクトリアハーバーを横断することで、香港の摩天楼と100万ドルの夜景を海上から楽しむことができるのだ。
スターフェリーに乗り、海風を感じながらゆっくりと対岸に向かう。目の前に広がる高層ビル群の光が、星空の元で更に輝きを増す。
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100万ドルと称される光が海に反射する。
フェリーが波の形を変えるたびに、海面の光が少しずつゆらめく。
心地よい風を感じながら、無言でも満たされる時間がそこにはあった。
対岸に着いた瞬間広がる、宝石箱のような絶景。
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光を放つ虹色の絵の具が、ゆらゆらと海に溶け込んでいくかのようだ。
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日本での日常、日々の喧騒までもが海に溶け込み、知らぬ間に心を奪われていたのであった。
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※記事内の画像は筆者個人が撮影したものか、生成AIにて生成しています。
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