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「自分を変える」? いえ、「我に返る」です。
【ダークサイド】
私たちの日常は、良くも悪くも、他者の心の状態から、少なからず影響を受けます。
でも、何よりも怖いのは、目に見えているその人ではなく、
自分自身で心の中に描いているその人。心の中のその人が、心のすき間に一方的に突きつけてくる正義や常識、普通という概念。それが怖いです。
これが続くと、人は萎縮して、自分自身を蔑んだり、責めてしまいます。
心の中のその人からの束縛や、冷たい視線を感じて不安がつきまとい、緊張しているうちに、心がいつしか寒く、暗く、重く、固くなってしまいます。
先行きが見えない闇の中で、自分を見失いそうになる不安。
あぁ…息が詰まる。
【ライトサイド】
息が詰まって苦しい。
はぁぁぁぁぁ‥‥ なが~いなが~いため息をついてしまう。
息を吐ききると、自然にスゥゥゥと 息が吸える。
すると???
フゥゥゥ‥‥ また息を吐ける。
そして、スゥゥゥっと、 また息が.吸える!
前よりももっと静かにゆっくりと!
んっ?これって、呼吸だ!!
当たり前のことだけど、これって呼吸そのものだ!!
度重なる不条理に翻弄されながらも、言いようのない怒りと深い悲しみを乗り越えた禅僧ティクナット・ハン師の詩
息を吸うとき、私は静か
息を吐くとき、私は微笑む
目の前にいるのはタロウ、そしてルーカス
今、ここに「生きる」
ただただ、ここに「在る」
そういうものにしかできない眼差し…
静かに呼吸して、フゥゥゥっと「我に返る」
すると?
自分の欠点だと思っていたことや、自分を責めていたことが、見えてくる。
みんなそれぞれ多かれ少なかれ同じものを持っているということ。
そして、意外とみんなで小さく小さく助け合っているということ。
人はみな、本人の自覚以上に、芯は強いかもしれないということ。
人を振り回している人ほど、本当は己に振り回されているということ。
自分を変える?
いえ。我に返る。
我に返ると、
いろいろなことがありのままに見えてきます。
無意識だった萎縮や緊張を身体的に感じ、
意識的に呼吸することができます。
なによりも自分に優しくなれます。
ため息でもいいから、息を吐く。
息を吐いたら、息を吸う。
そして吐いて、我に返る。
そこで気づくなにか。そこから始まるなにか。
そこには確実に、なにかあります。
ホースと共に在らんことを。