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大好きなこの街を出ていくとき、晴れやかでいられますように

心が浮き沈みする毎日。
目で追っているようで追えていない。
住み慣れた場所を離れるときは、
何も見ていない、心ここに在らずな日々。

この街に引っ越して1年が経った今。
また新たな街へ旅立つことになる。
この街が好きだった。好きになった。

夜のロマン溢れる街並み。
人がいなくなった夜道を散歩するのが好きだった。
昼は観光客でごった返している道を独り占め気分。
いつもと違う匂いを嗅ぎながら、歩くこと。

夜はとても静か、しっとりした夜の匂い

何より家が好きだった。
内見なしで飛び込んだのに何より愛おしい。
窓が多いこと。カーテンを開ける朝が好きで。
都会ではないからこそ、味わえる広さ。
太陽光が差し込むキッチンやリビングで過ごす。
帰れば安心する温かな場所。

この居心地の良さを起点にしていろんな場所へ。
好きなカフェも見つけられた。
道に迷って小さな冒険をした。

秋の味覚
猫が案内してくれた

何でもなかったことが妙に愛おしい。

これから上手くやっていけるだろうか?
漠然とした不安が押し寄せてくる。
次も内見なしで決めることになりそう。
住めば都と割り切れるかな?
もしもの時にかけこめる病院はあるかな?
あの時みたいに動けなくなったらどうしよう。
そして、初めてのガス火だ。

大きなことからごくごく小さなことまで。
考えれば考えるほど沈んでいくから...

好きなスーパーがあるといいな。
上手く空気が吸えるといいな。
散歩できるといいな。
海苔を炙ったりしてみたい。

大丈夫。
根拠はないけどそう言い聞かせてみる。

きっとこの街に来た時も同じ気持ちだった。
そんなことをふと思い出す。

実家を出て、縁もゆかりもない場所で1年。
何とか生きてきたじゃないか。
頑張った私。
がんばれるよ、私。

あれこれ終わったら、この気持ちをまた集めよう。
いつかこの街と心をしたためよう。

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