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歌うことが、当然の権利として認められない国がある。(映画「私は歌う ~アフガン女性たちの闘い~」を観て)

11/6(月)から開催されている難民映画祭2023。

本日最終日ですが、無料オンライン鑑賞チケットは11/30(木)18:00まで購入できます。配信は23:59まで。気になる方はぜひ。

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「私は歌う ~アフガン女性たちの闘い~」
(監督:ファジラ・アミリ、2022年)

アフガニスタンにおけるタリバン政権。

「まあ、狂ってる独裁政権だよね」というくらいの印象しかなかったけれど、現地の人たちが心から恐怖心を抱いているのが良く分かる。道端での暴力は日常茶飯事、性別問わず頭を銃撃するなど、人々が自由に暮らす権利が侵害されているのだ。

特に女性の権利侵害は深刻だ。

アッラーの言葉を騙り、女性の教育、職業選択、公共の場での行動を厳しく制限している。女性に限らず、道端で「音楽を聴いていた」だけで暴行を受けたというエピソードも紹介されているが、タリバン政権を否定する可能性がある文化活動はとにかく妨害しようと躍起だ。(逆にいうと、それだけ音楽や映画を始めとする「文化」のポテンシャルは大きいのだ)

2021年8月、アメリカ軍がアフガニスタンから撤退。それに伴ってタリバン政権があっという間に街を掌握したシーンは世界に衝撃を与えた。軍の飛行機に乗ろうとした人が、飛行機にしがみつき、空中で振り落とされる様子に心を痛めた方も多いだろう。

作中に出てくる歌手のアリアナ・サイードさんは、いわゆる「国民的歌手」としてアフガニスタンのスター歌手として活躍していた。歌手として、活動家として女性の権利や社会進出を訴え続けてきた彼女だったが、当然ながらタリバン政権の目の敵になる。身の安全を案じ、かろうじて国外脱出に成功したものの、母国の崩壊を前に涙を流す。彼女がずっと続けてきた女性の権利回復の運動は、「政治」という大きなシステムの前にあっさりと崩れてしまった。

彼女の悔しさがまっすぐに伝わってくるドキュメンタリーだ。

僕は思う。

彼女の痛みを、彼女だけの痛みにしていいわけがない。

本作は11/6(月)〜開催されている難民映画祭で日本初上映。繰り返しになるが、鑑賞は本日まで。以下のpeatixサイトで【11/30(木)18:00】まで無料オンライン鑑賞チケットを購入できるので、興味ある方はお早めに。

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