日本の広告費のリリースが感慨深い
電通さんから「2018年 日本の広告費」がリリースされた。
http://www.dentsu.co.jp/news/release/2019/0228-009767.html
僕は広告代理店に務めている「広告マン」というわけではないが、広告収入をビジネスモデルとしていたWebサービスを新卒一年目に担当していたこともあり、毎年必ず目を通すようにしている。
推移だけ見ていると「相変わらずインターネット広告伸びているなあ」という感覚。そこで試しに10年前と比べてみた。
http://www.dentsu.co.jp/news/release/pdf-cms/2009013-0223.pdf
事細かくデータを分析することはしないが、
◼︎2018年発表
・広告費累計:6兆5,300億円
・テレビ広告費:1兆9,123億円
・新聞広告費:4,784億円
・インターネット広告費:1兆7,589億円
◼︎2008年発表
・広告費累計:6兆6,926億円
・テレビ広告費:1兆9,092億円
・新聞広告費:8,276億円
・インターネット広告費:6,983億円(2006年は4,826億円)
当時、マスメディアと言えばやっぱりテレビで、10年を経ても影響力の大きさそのものは変わらない。だけど、インターネット広告費がほぼ接近してきたことを鑑みると、テレビのみ台頭しているのではなくなったことが広告費からも推察できる。
広告収益に四苦八苦していた頃、「インターネット広告はまだまだ伸びる」とは言われていた。「テレビと変わらない影響力を持ち始める」とも言われていた。
2008年から2018年といわゆる年代が以降してしまった今、実際に数値としてテレビとインターネットの接近が証明されていることに、個人として非常に感慨深い。ここをフィールドで戦うビジネスプレイヤーもめちゃくちゃ増えた。業界が健全に成長していることは、IT業界をファーストキャリアで進んだ身としてはとても嬉しい。
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「テレビに取り上げられたことでアクセスが急に伸びた」というのは未だに聞く話。Web界隈であろうとなかろうと、瞬間風速としてのテレビの影響力が絶大であることに変わり(代わり)はなさそうだ。
ただし影響力の持たれ方というのは大きく変わっているだろう。何か広告をうっかりクリックしたものならば、「関心がある」と思われて、GoogleのAdネットワークを経由して、いつまでも関連の広告が迫ってくる。接触頻度が高くなることで、消費者がじわじわと影響されてしまうということもありそうだし、自分もそうやって購入「してしまった」ことは一度や二度ではない。
それでも、佐藤尚之さんが提唱する「ファンベース」という考え方が広まっているので、消費者にとって「ウザい」と思われるような広告はなくなっていくだろうとは思う。
ただ接触する手段としてのインターネット(PC、スマホ、タブレット、スマートデバイスなど全て含めて)というのは、相も変わらず、僕たちの生活に侵食され続けていくだろう。
それが良いか悪いかは別にして。
そこで戦うプレイヤーの構成員として細々暮らしている僕も、10年くらい先を見据えながら新しいビジネスを考えていきたいなと改めて思った。
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余談だが、ベンチマークとしてこういった指標を年次で追えるのは非常に有難い。電通さんへの感謝の気持ちを表明し、このエントリを締めたいと思う。