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「思わず笑ってしまう」のが、欽ちゃんの理想の笑い
2024年2月11日、毎日新聞の朝刊にコメディアン・萩本欽一さんのインタビュー記事が掲載されていた。(敬意をこめて「欽ちゃん」と書きます)
そこで書かれていた欽ちゃんが目指す笑い、そしてインタビュアーを務めた池上彰さんとの返答が面白かった。
萩本:(「今のテレビのお笑いをどうご覧になっているか」と聞かれて)チャンネルを変えながら見ていますが、最初から最後まで見ている番組は……ね。僕は東京・浅草の軽演劇出身です。だから目指しているのは、見ている人を笑わせるのではなくて、思わず笑ってしまう笑い。(中略)見ている人が思わず笑ってしまうのであって、自分でおかしいことを言う必要はない、とね。
池上:そうか。言葉だけの世界で生きていると、言葉だけで何とかしようと思ってしまう。耳が痛いです。
僕も、耳が痛くなった。
良い文章を書けば、社会はポジティブな方向へ前進する。もちろんひとりの書き手として矜持を持つことは大切だろう。だが、世の中は言葉だけで成り立っているわけではない。
ボディランゲージ、デザイン、メディア、におい、味、触った感覚。
人間が知覚するもの(もしくは直接知覚しないものも含めて)で、何かしらの判断をくだしているわけだ。正しかろう言葉をいくら重ねたからとて、そちらに人が向いていくなんて考えるのは傲慢だろう。
それに言葉だって、冗長性の高い会話や対話があって然るべきだ。
短い文章にギュッと閉じ込める必要はない。見ている人を動かそうと思う必要はない。知性と理性のもとで、きっと自然と足が前に出るものなのだから。
そんなことを自戒しながら、明日から僕なりの問いを抱いていこうと思う。
──
2024年3月号の雑誌「PRISIDENT(プレジデント)」でも、養老孟司さんが同様のことを語っていた。
世界には三つの世界がある。
世界1:物質
世界2:言葉・情報
世界3:自分の心
情報社会において、現代は「世界2の言葉・情報が非常に優越している」とのこと。実際、SNSのタイムラインにおける不毛(とあえて表現するが)な議論はやむ気配がない。
これもまた「言葉で何とかしようと思ってしまう」一例といえるのではないか。年長者の警鐘を、自分のこととして噛み締めておきたい。
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