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歯が抜けて、お祝いされる。

先週、仕事のため3日ほど家を離れていた。

帰宅し、息子たちの屈託ない笑顔に癒されつつ、妻から不在中の出来事について話を聞く。色々あったけれど、何はともあれ、みんな楽しそうで良かった。

食事の後、長男の歯を磨いた。小学生になったけれど、仕上げ磨きは大事だ。甘いものを食べる機会も増えた年頃。僕も小学2年生のときに初めて虫歯になってしまった。

あまり力を入れないように、でも丁寧に、1本1本の歯を磨いていく。

すると、微かな違和感を覚えた。「あれ?」。なにか通り過ぎているような気がする。なんだろう。

そう思って、もう一度ゆっくり歯を磨いていくと、分かった。3日前までグラグラ揺れていた歯が抜けていたのだ。

長男に「いつ歯が抜けたの?」と聞くと、「学校で歯を触っていたら抜けたんだ」とのこと。なるほどね。

「先生から、『おめでとう』って言われた?」と聞くと、「先生だけじゃなくて、クラスのみんなから『おめでとう』って言われたよ」と、なんともホッコリするエピソードを披露してくれた。なんと良い学校ではないか!

僕が小学生の頃、たぶん、あんまり憶えていないけれど、ひとりかふたりか授業中に「歯が抜けた」と自己申告した同級生がいたような気がする。たぶん僕は「おめでとう」なんか言ってないし、先生だって、そこまでフォローしてはいなかった気がする。それは別に優しくないというわけじゃなくて、当時「歯が抜ける」ということは、わりとプライベートな出来事として収められていたんじゃないだろうか。

家の中では盛大にお祝いするけれど、学校で歯が抜けても「スン」という感じ。それが当たり前だったけれど、長男の小学校ではお祝いモードで迎えられたのだ。

まあ、小学1年生くらいまでの話だろう。学年が上がるにつれ、先生も素っ気なくなっていくだろう。「歯が抜けたんか。ティッシュに包んどけ〜」みたいな感じで。

だけど、せっかくだから、歯が抜けてみんなからお祝いされたというエピソードを、ちゃんとnoteに残しておきたい。だって、すごく良い話じゃないか。こんな風に“みんな”からお祝いされるのって、大人になったら結婚とか、それくらいじゃないかな。

祝うって、大事なことだ。そして案外難しい。

子どもたちに倣って、僕も「祝う」を大切にしていこうと思った。

──

過去のnoteを見返すと、けっこう「歯」にまつわるエピソードを記録していた。もうすっかり忘れていたけれど、初めて乳歯が抜けたのは、たかだか2年前のことだ。懐かしいな。

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ほりそう / 堀 聡太
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